2009年3月31日火曜日

3/31 Today JPモルガンが死ぬ(1913)

ジョン・モルガン - Wikipedia: "ジョン・ピアポント・モルガン(John Pierpont Morgan, 1837年4月17日 - 1913年3月31日)は、アメリカの5大財閥の1つモルガン財閥の創始者。投資家、銀行家、社会奉仕家でありそして金融業と産業界を合併し支配する傍ら芸術品収集に励んだコレクターでもあった。20世紀初頭、モルガンが絶頂期の頃、彼とビジネスパートナー達は多くの大企業に財政投資を行なった。1901年までに、彼は世界で最も裕福な人物の1人になっていた。"
面構えがすごい。

でも、
生来、鼻が奇形で、肖像写真では、鼻を修正したものしか使用を認めなかった。

とのこと。

お金持ちでもコンプレックスがあったのだ。

山中湖関連は別のブログとします

山中湖関連のエントリーは新しく「Letter from Yamanakako」という単独のブログといたします。過去の山中湖カテゴリーの記事も新しいブログに入れておきました。

やり方は:
  1. ダッシュボード「設定」画面から一旦古いブログを全部エクスポートします。
  2. 新規ブログを作成し、内容はエクスポートしたファイルから全部インポートします(この段階では公開されてません)。
  3. ブログ管理画面でインポートした全項目が表示されますので、該当のカテゴリーだけを選択し、公開します(表示されている一覧ページの部分しか一度に公開できないので複数ページにまたがるときは注意)。
  4. 残りの部分は「インポート済」と表示されたまま残るので、全部選択し(これは複数ページにまたがっていても全部選択できます)削除します。おわり。

ひとつひとつ項目を選んで公開してもいいですが、上記のやり方でやれば簡単です。

2009年3月29日日曜日

3/29 Today 八百屋お七が火炙りに(1683)

八百屋お七 - Wikipedia: "八百屋お七(やおやおしち、寛文8年(1668年)? - 天和3年3月29日(1683年4月25日))は、江戸時代前期、江戸本郷の八百屋太郎兵衛の娘。お七は天和2年12月28日(西暦1663年1月25日)の大火(天和の大火)で檀那寺に避難した際、そこの寺小姓生田庄之助と恋仲となった。翌年、彼女は恋慕の余り、その寺小姓との再会を願って放火未遂を起した罪で捕らえられて鈴ヶ森刑場で火刑に処された。"


その時彼女はまだ16歳(当時は数え年が使われており、現代で通常使われている満年齢だと14歳)になったばかりであったため町奉行・甲斐庄正親は哀れみ、何とか命を助けようとした。当時、15歳以下の者は罪一等を減じられて死刑にはならないと言う規定が存在したため、甲斐はこれを適用しようとしたのである。厳格な戸籍制度が完備されていない当時は、役所が行う町人に対する年齢の確認は本人の申告で十分であった。 甲斐は評定の場において「お七、お前の歳は十五であろう」と謎を掛けた。それに対し彼女は正直に16歳であると答えた。甲斐は彼女が自分の意図を理解出来てないのではと考え、「いや、十五にちがいなかろう」と重ねて問いただした。ところが彼女は再度正直に年齢を述べ、かつ証拠としてお宮参りの記録を提出することまでした。これではもはや甲斐は定法どおりの判決を下さざるを得なかった。

なんとも痛ましい。

2009年3月28日土曜日

アトリが来た!

今日は昼からアトリ、コゲラ、アカゲラ、ヒヨドリ、シジュウカラ、ヤマガラと賑やか。アトリはつがい。はじめて見た。

写真を撮ったがケーブルを忘れてきたのでアップできず。

鳥によって餌の食い方が違う。アトリは餌が置いてある手摺りに座り込んで(腹を地面に着けるようにして)その場でヒマワリの実を黙々と食い続ける。いつもは常駐しているヤマガラ、シジュウカラはヒマワリの実をくわえて別の安全なところに移動してから食うのだがアトリが二三羽そこに座り込んでいるので遠慮してか近づかない。アトリはエサを全部食い尽くすまで居座るつもりらしい。新米なのに態度がでかい。

3/28 Today シャガールが死ぬ(1985)

マルク・シャガール - Wikipedia: "マルク・シャガール(Marc Chagall, イディッシュ語: מאַרק שאַגאַל‎‎, 1887年7月7日 - 1985年3月28日)は、20世紀のロシア(現ベラルーシ)出身のフランスの画家。"


合掌。

ここでシャガールの絵をたのしめます:

Famous Artists Gallery: Marc Chagall

2009年3月27日金曜日

3/27 Today 広瀬中佐の戦死(1904)

広瀬武夫 - Wikipedia: "広瀬 武夫(ひろせ たけお、慶応4年5月27日(1868年7月16日) - 明治37年(1904年)3月27日)は、明治の大日本帝国海軍軍人である。日露戦争でのエピソード(後述)で知られており、特に戦前は「軍神」として神格化された。"
「杉野はどこだ!」と船の中を探し回りましたが見つけられませんでした。


小学校唱歌にもなった:

轟く砲音(つつおと)、飛来る弾丸(だんがん)。
荒波洗ふ デッキの上に、
闇を貫く 中佐の叫び。
「杉野は何処(いずこ)、杉野は居ずや」。

船内隈なく 尋ぬる三度(みたび)、
呼べど答へず、さがせど見へず、
船は次第に 波間に沈み、
敵弾いよいよあたりに繁し。

今はとボートに 移れる中佐、
飛来る弾丸(たま)に 忽ち失せて、
旅順港外 恨みぞ深き、
軍神廣瀬と その名残れど

2009年3月26日木曜日

石破農水大臣には頑張って貰わないといけない、でも「下の責任」も追及しないと片手落ち

石破農水相は今回の農水省のヤミ専従問題について「下だけの問題ではなくトップの問題でもある」と。確かにその通りだが……
農水省:ヤミ専従隠しでうそ、秘書課長を更迭 石破農相、体質批判 - 毎日jp(毎日新聞): "農林水産省秘書課の虚偽説明について、石破茂農相は26日、毎日新聞の取材に対し「(都合の悪い事実を)『なかったことにしよう』という体質がまだ残っている」と批判した。その上で「私自身が(調査に)関与し、実態を徹底的に明らかにする」と述べた。【工藤昭久】"
しかし腐っているのは頭(農水省上層部)ばかりじゃない。下の方の尻尾まですべて体質的に腐っているのである。「下部構造」から直して貰わないと、ケツを拭かされるのは都市勤労者(消費者)。

ところでNHKのこの番組;
NHK 番組表: "2003年に起きたアブグレイブ刑務所事件。イラク人収容者に対する虐待写真は世界を驚かせた。09年1月、刑務所の責任者だった元准将が、虐待を起こした部下との対話を求めて旅に出た。「腐ったリンゴ」と呼ばれた7人は軍法会議に送られて全員が有罪となったが、軍の上層部は誰一人罪に問われなかった。上官として今も責任を感じているという准将が部下たちを訪ねる旅に同行、彼らの対話を通じて、虐待事件の闇を見つめる。"

アメリカでは尻尾を切り捨てることでことを終わらせようという卑劣なトップが多い。ところがニッポンでは全く逆でトップだけが責任をとって一件落着と言うことが多い。農水問題はまさにそう。大臣が何人替わった? 下の方は例によって例の如く今まで通り。責任はあいつら全員にあるのに。国民はかなわんわ。

トカゲの尻尾切り(いや「頭切り」)で終わらせてはいけない。あの分野では「頭」は「尻尾」のためだけに動いているのである。尻尾を広く根絶しなければニッポンの将来はない。

3/26 Today 安重根の処刑(1910)

安重根 - Wikipedia: "安重根(アン・ジュングン、1879年9月2日 - 1910年3月26日)は朝鮮の民族主義運動家。両班の家庭に生まれた。伊藤博文の暗殺者として有名。キリスト教徒であり、洗礼名はトマス。日本語読みは「あん じゅうこん」。安重根への評価は日本の植民地支配及び彼の闘争行為を肯定するか否かで分かれる。"
ところと立場が違うと評価が違う。

両班の生まれで文人・教養人であったが、暗殺はよくない。すぐ激高するのは朝鮮半島(及びその南の島々)の人たちの悪いところ。

2009年3月25日水曜日

3/25 Today 蓮如死す(1499)

蓮如 - Wikipedia: "蓮如[1](れんにょ)は、室町時代の浄土真宗の僧。本願寺第八世。本願寺中興の祖。同宗旨[3]では、「蓮如上人」と尊称される。明治15年(1882年)に、明治天皇より「慧燈大師」の諡号を追贈されている。しばしば本願寺蓮如と呼ばれる。親鸞の直系とはいえ蓮如が生まれた時の本願寺は、他宗や浄土真宗他派、特に佛光寺派の興隆に対し、衰退の極みにあった。その本願寺を中興し、現在の本願寺教団(本願寺派・大谷派)の礎を築いた。応永22年2月25日 - 明応8年3月25日"

蓮如の布教は、教義を消息(手紙)の形で分かりやすく説いた『御文』(『御文章』)[4]を中心に行なわれた。のちに蓮如の孫、円如がこれを収集して五帖80通(『五帖御文』)にまとめた。

とにかく、教えを分かりやすい文章にしたことはエライ。お経は誰もが分からないので所詮「お経」だ。

2009年3月24日火曜日

3/24 Today ジュール・ヴェルヌが死ぬ(1905)

ジュール・ヴェルヌ - Wikipedia: "ジュール・ヴェルヌ(Jules Verne, 1828年2月8日 - 1905年3月24日)は、小説家・SF作家・政治家。H・G・ウェルズとともにSFの開祖として知られ、SFの父とも呼ばれる。"

ところで『80日間世界一周』だが、ヨットでそれを実現した人がいる。



NHKアーカイブス 保存番組検索: ジュール・ヴェルヌ杯 世界一周無寄港ヨットレースの記録~1994テレビ・ニュージーランド制作~: "80日間世界一周を風と人力だけで実現しようと設けられたヨットレース。冒険小説「80日間世界一周」の作者の名前をとって「ジュール ・ヴェルヌ杯」としたこのレースの第1回は93年、フランス船とニュー ジーランドのエンザ号の2隻で記録を競った。しかしエンザ号は途中 漂流物に激突し大破、レースを断念した。翌94年、新造のエンザ号 は第2回のレースに再び挑戦、74日22時間17分22秒で優勝した。 各大陸の岬を通過、無寄港、無アシストの全記録を伝える。"

すごいな〜というところが、上には上がいる。しかも女性:
Yahoo!オークション - 洋書★エレン・マッカーサー写真集★ヨット単独世界一周最速記録: "本書は英国の国民的英雄、エレン・マッカーサーが2005年に打ち立てた単独無寄港世界一周の最速記録(71日14時間18分33秒)の模様を収録した写真集です。

27歳の若き女性で、しかも向こう100年は破られることは無いであろうと言われていた既存の記録を破ったことは、世界的なニュースにもなりました。
なかなかピンときませんが、とにかくこれはドえらい記録です。

エリザベス女王から大英帝国勲章第二位(いわゆるナイトの称号)を授与され、ローレウス世界スポーツ賞の年間最優秀活動選手賞を受賞したことからも評価の高さが窺い知れます。"

2009年3月23日月曜日

NHKの成田空港貨物機炎上事故の報道をみて

朝からこのニュースばっかり:
NHKニュース 貨物機炎上 事故原因究明へ: "23日朝、成田空港で、中国の広州からの貨物機が着陸に失敗して炎上し、乗っていたアメリカ人の機長と副操縦士が死亡した事故で、国の運輸安全委員会や警察が現場検証を続けています。"
なんで「中国・中国」とばかり言い続けるのだろうね。

夕方のニュースになって、ようやく「中国」とは言わなくなった。当たり前だよね。アメリカの会社の飛行機がたまたま中国から飛んできただけの話。でも、NHKは「中国」からやって来た飛行機が大事故を起こしたという点のみを強調して、あたかも中国のせいだと言わんがごときの報道ぶり。とても被害者意識が強い。これってNHKの体質を如実に物語っている些末な(でも大きな)ディテール。

本当の問題は、たかがこんな事故のために日本発着の国際線がほとんど機能しなくなってしまったと言うこと。今日だけで40便のキャンセル。明日も続くという。

成田では「農民一坪地主」がエゴイズムを主張して頑張っているから空港の拡張は出来ない。だからこんなことになってしまう。羽田に大幅に国際便を移せばいいのだが、これには千葉県知事が反対してどうにもならない。

ニッポンでは既得権集団があまりにも暴れすぎ。

3/23 Today ハイエクが死んだ日(1992)

フリードリヒ・ハイエク - Wikipedia: "フリードリヒ・アウグスト・フォン・ハイエク(Friedrich August von Hayek 1899年5月8日 - 1992年3月23日)は、オーストリア生まれの経済学者、哲学者。オーストリア学派の代表的学者の一人であり、経済学、政治哲学、法哲学、さらに心理学にまで渡る多岐な業績を残した。20世紀を代表するリバタリアニズム思想家。ノーベル経済学賞受賞。"


1944年に発表した「隷属への道」(The Road to Serfdom)では社会主義、共産主義、ファシズム、ナチズムが同根の集産主義であると批判し当時のベストセラーとなる。

戦前、近衛文麿も同じようなことを言った。ウヨもサヨも同じようにアホだと。最近、これ以外にも「思いこみ」が強い連中が増えた。

2009年3月22日日曜日

3/22 Today 大磯の旧吉田茂邸炎上(2009)

asahi.com(朝日新聞社):旧吉田茂邸を全焼 不審火の可能性も 神奈川・大磯 - 社会: "22日午前6時ごろ、神奈川県大磯町西小磯の旧吉田茂邸で、男性警備員から「建物内部から炎と煙が見える」という内容の通報が消防にあった。大磯町消防本部などによると、同邸宅約1千平方メートルを全焼した。けが人はいない。現場には人気がないことから、大磯署は不審火の可能性もあると見て調べている。"

もったいないこと。

一度行ったことがあるが、木造日本家屋の二階に総ヒノキの西洋式バスタブが設置されていた。普通のバスタブは曲線を使って作られるのに、ヒノキだからすべて直線のデザイン。なんか棺桶みたいで妙だったが、あれも燃えてしまったんだろう。

2009年3月21日土曜日

3/21 Today 空海入滅(835)……景気対策は空海に学べ!

空海 - Wikipedia: "承和2年(835年)、3月15日、高野山で弟子達に遺告を与え、3月21日に入滅した。享年62(満60歳没)。"

短時間のうちに膨大な仕事を成し遂げた。とにかくやることが早い人だった。


例えば中国に行ったとき:
空海の乗った船は、途中で嵐にあい大きく航路を逸れて貞元20年(延暦23年、804年)8月10日、福州長渓県赤岸鎮に漂着。海賊の嫌疑をかけられ、疑いが晴れるまで約50日間待機させられる。このとき遣唐大使に代わり、空海が福州の長官へ嘆願書を代筆している。同年11月3日に長安入りを許され、12月23日に長安に入った。

永貞元年(延暦24年、805年)2月、西明寺に入り滞在し、空海の長安での住居となった。

長安で空海が師事したのは、まず醴泉寺の印度僧般若三蔵。密教を学ぶために必須の梵語に磨きをかけたものと考えられている。空海はこの般若三蔵から梵語の経本や新訳経典を与えられている。

5月になると空海は、密教の第七祖である唐長安青龍寺の恵果和尚を訪ね、以降約半年にわたって師事することになる。6月13日に大悲胎蔵の学法灌頂、7月に金剛界の灌頂を受ける。

8月10日には伝法阿闍梨位の灌頂を受け、「この世の一切を遍く照らす最上の者」を意味する遍照金剛(へんじょうこんごう)の灌頂名を与えられた。

8月中旬以降になると、大勢の人たちが関わって曼荼羅や密教法具の製作、経典の書写が行われた。また恵果和尚からは阿闍梨付嘱物を授けられた。伝法の印信である。

同年12月15日、恵果和尚が60歳で入滅。元和元年(延暦25年、806年)1月17日、空海は全弟子を代表して和尚を顕彰する碑文を起草した。

そして、3月に長安を出発し、4月には越州に到り4か月滞在した。ここでも土木技術や薬学をはじめ多分野を学び、経典等を収集した。8月に明州を出航して、帰国の途についた。

空海は、20年の留学期間を2年で切り上げ帰国したため、当時の規定ではそれは闕期の罪にあたるとされた。

日本から貰ってきた20年間分の留学費用を一挙に2年で有効に使ったということではないか。何事も小出しにしていては成果が得られない。大恐慌に当たっての経済政策も同じ。一番貴重な時間という資源を無駄に費消してはならないのである。

2009年3月20日金曜日

3/20 Today いかりや長介が死ぬ(2004)

いかりや長介 - Wikipedia: "2003年5月末、原発不明頚部リンパ節がんで入院。2004年3月15日、がんの転移が判明し東京都 港区の東京慈恵会医科大学附属病院に再入院した。2004年3月20日、死去。72歳没。"
合掌。


2009年3月19日木曜日

テレビ東京:「トップ・ガン」……いつ見ても面白い!

トップガン - Yahoo!テレビ.Gガイド [テレビ番組表]: "木曜洋画劇場 「トップガン」 最新作「ワルキューレ」が公開直前のトム・クルーズ。彼が戦闘機のエースパイロットを演じた航空アクションの大ヒット作を放送!(1986年/アメリカ)"

でも、PTAおばさんなんかは、こんな映画はトンデモナイと言うんだろうな。

主人公の戦闘呼称(あだ名)は「マーヴェリック(Maverick)」という。所有者の刻印のない子牛という意味。転じて「アウトロー」とか「はぐれもの」。ニッポン語で言えば「空気の読めない人」と言うことか。こういう人間が素直に英雄として認められるという社会は、やっぱり力強い。



スポーツカーやオートバイ、さらにヒコーキ、それを使っての「バトル」が面白くないという若者は、やっぱり不健全だ。

モモが咲いた!

モモが開花。

3/19 Today 崇禎帝が自殺、明朝滅亡(1644)

崇禎帝 - Wikipedia: "崇禎帝 (すうていてい)は明朝17代の皇帝にして最後の皇帝。彼の治世は農民反乱が頻発し、満州族がたびたび侵入し混乱した。李自成が流民を組織し起こした反乱により北京が占領されると自殺し、明は滅亡した。生年1611年2月6日(万暦38年12月24日)没年1644年4月25日(崇禎17年3月19日)

泰昌帝の第5子として生まれ、兄天啓帝の男子が皆夭折していたため、その急死後、皇帝位を継ぐことになった。即位すぐに、兄の下で専横を奮った宦官・魏忠賢を誅殺し、名臣として名高い徐光啓を登用するなど国政改革に取り組む。当時は北に満州族の後金が進入し、南では李自成たちの反乱が多発したまさしく国事多難の時期であり、崇禎帝はこの状況をたった一人で支えようと努力した。"
一生懸命にやったんだけれど、時代の流れには逆らえなかった。

Wikipediaの評価は次のようなもの:
崇禎帝は少なくとも彼なりに国の事を案じて大変な努力をしていた。李自成が西安で皇帝に即位した時も「明の皇帝は甚だしく暗君という訳ではないが・・・」とある程度の評価をしている。その猜疑心により全てが裏目に出て自滅した崇禎帝だが、その原因は明が既に亡国の淵にあり、更には国政に与る士大夫層が長年の政治的腐敗により使い物にならず、信用ならない存在であることを突きつけられたことにあるといえる。滅亡寸前の明王朝の国力を回復させるために、国政改革に身を投じたものの、万暦帝らの悪政によって決定づけられた衰退の流れを止めることができず、最終的に痛ましい最期を遂げなければならなかった。時運に恵まれなかった悲劇の人物であろう。

同じ王朝が長く続くと必ず制度疲労が生じる。時々「革命」が必要なわけ。明治維新より150年続いている薩長イナカモン王朝もそろそろおしまいにするべき時か。

2009年3月18日水曜日

「カレーを黙々と食べる男は『カサブランカ』のボガートと重なる?」(東京電力の荒木浩氏)

東京電力顧問の荒木浩氏はカレーが大好きだとのこと。今日の日経「こころの玉手箱」:
人生最後の食事に何を食べるかと尋ねられたら迷うことなく「カレーライス」と答える。それぐらい好きだ。東電本店近くに、入社以来通っているカレー店がある。並盛り530円。(中略)「カサブランカ」のハンフリー・ボガードは私の憧れの人物だ。酒場で一人グラスを傾けるしぐさ。これぞハードボイルド。私は表舞台より裏方仕事の方が性に合っている。こんな点で共通するかといって、カレーをかきこむ私がボガートにどこか重なるかといえば、ちょっとおこがましいだろうか。

そんな、そんな。カレーライスを一人で食べる男こそが現代ニッポンのボガートですよ。

東京電力にはハードボイルド派の経営者が多い。平岩外四氏もチャンドラーが好きだった。伝統は連綿と受け継がれているのだ。

グルメとやらにかまけている男は、軟弱だと思う。「カサブランカ」のボガートを見習え!



3/18 Today 浅草寺の観音様が発見された日(628)

浅草寺縁起: "浅草寺の縁起をたずねると、推古天皇三十六年(628年)三月十八日の朝、檜前浜成、竹成の兄弟が江戸浦で漁をすると一体の観音像を感得し、この地の豪族、土師中知(はじ なかとも)にお見せする。すると、その像は、聖観音の尊容であることがわかりました。

中知はこれを機縁に出家受戒され、自宅を改めて寺とし、観音像を奉安して礼拝供養に生涯をささげたと草期の模様を伝えています。
20年ほど経た大化元年、勝海上人がこの地に留錫され観音堂を再建、夢告によってご本尊を秘仏と定められたといいます。"
推古36年と言うから、とにかく古いのだ。

秘仏と言うことで今まで誰もみたことがなかったはずだが、実際には見た人もいる。どうも一寸八分の金無垢の観音様ではないらしい:
日経:浅草の観音様(秘仏)は「一寸八分の金無垢仏像」ではなかった!

2009年3月17日火曜日

マン社のヘッジファンド「IP220」を解約……辛うじて損しなかった!

イギリスのヘッジファンド会社マンはアメリカのアホの詐欺に遭うし、みんながヘッジファンドはやばいというので、心配になって一部解約。正月明けに解約を申し出てようやくきょう現金化。でも円ベースで損はしなかった。

買ったときの為替は120円を超えていたけれど、解約ペナルティーを考慮しても円ベースの手取りはもとの投資金額以上。損はしなかった。日本株や新興国債券なんかに投資していたら半分になっていたところであり、やっぱりヘッジファンドは頼りになるな。

国際分散投資なんかの「伝統的」投資手法は全く通用しないいまの世の中。株は最近上がっているけれど、いつまで続くやら。当分現金が一番である。定額支給金も、もちろん現金で持っておく。12000円を笑うものは、12000円に泣くのである。

『経度への挑戦』(デーヴァ・ソベル)

面白い本を読んだ。
経度への挑戦―一秒にかけた四百年
女性科学ジャーナリストが書いた本で、90年代に英国と米国でベストセラーとなったものだが、科学史というよりイギリスの世界征服の歴史(もしくは学会の権威主義の歴史)とかいう意味で面白い。

何百年もの間、「経度」を知ると言うことが当時のヨーロッパ諸国にとって「戦略的・地政学的」に決定的な重要課題であったのだ。そのために科学者・天文学者が総動員される(ガリレオやニュートンもこれにかかわっている)。でも最後に勝ったのは、エライ科学者や天文学者ではなく、一介の時計職人だったというお話し。エリートたちが自分たちの面子とメシのタネ(天文観測という職)を守るためこの時計職人の足を引っ張ったりしていじめるところが圧巻。

ちょっと説明しないと分からないので簡単に説明する。航海において自分の位置を知ることはとても重要。緯度は簡単に計測できる(北極星か正中太陽の高さを測ればよい)。でも経度が問題。母港の時間を示してくれる正確な時計があればわけもないのだが(現地時間との差に15°をかければ経度差が出る)当時はそんな正確な時計は存在しなかった。位置を間違えて何千人もの海員死んでしまう事故が続き、経度の測定方法の完成に莫大な賞金が掛けられることになった。ガリレオやニュートンやオイラーなどのエライ科学者は天文学による解決を主張。理論的には全く正しいのだが、そのためには膨大な天体観測データを蓄積する必要があった。そのために各国で天体観測所がどんどん作られる。ところが学校も出ていない一介の職人が、誤差がほとんどない正確な時計(クロノメーター)を作ってしまう。当時の学界の権威は天文学者などの科学者であり、こんな学問的ではないちゃちな機械に負けるのはいやだと時計の悪口を言い続けて絶対に負けを認めない。でも、実際の航海者(キャプテン・クックなど)は時計の方が便利であるとしていっせいにクロノメーターを購入し、それがスタンダードとなっていくのでありました、というお話し。

今でこそ天文学とは浮世離れした学問の代表みたいな見なされ方をしているが、当時の天文学者は、当時の植物学者(プラントハンター)と同じで、植民地獲得の莫大な期待利益に突き動かされていたことが分かりとても面白い。やっぱり金銭的インセンティブ抜きでは科学の進歩は語れないのである。

でも、天文学者に共感できるところもある。時計は止まったら一巻の終わりだが、天文学(月距法)による測定なら、どんなことがあっても(月さえ見えて居れば)大丈夫なのだ。一人でジャングル(大海原)に行ったときどっちを信頼するかと言えば、シンプル・イズ・ベストなのである。こんなことを言っているから時代遅れになるといわれればそれまでだが。

おまけ。六分儀のメカニズムをご紹介。いろいろ説明ページはあるが、この動画がいちばんわかりやすい:

ファイル:Using sextant swing.gif - Wikipedia

3/17 Today ジョージ・ケナンが死ぬ(2005)

ジョージ・ケナン - Wikipedia: "ジョージ・フロスト・ケナン(George Frost Kennan, 1904年2月16日 - 2005年3月17日)は、アメリカ合衆国の外交官、政治学者、歴史家。1940年代と1950年代末の外交政策立案者として、彼はソ連の封じ込めを柱とするアメリカの冷戦政策の設計者と見なされる。1946年には本国に送った通称「長文電報」でソ連の行動を分析した。この「長文電報」は、トルーマン政権の間で回覧され、アメリカの冷戦外交の基本方針となる「封じ込め」政策につながった。ケナンは、ジョージ・マーシャル国務長官によって国務省に新設された政策企画本部の初代本部長に抜擢された。また1947年、「X」という匿名で同様の内容を記した「ソ連の行動の源泉」を『フォーリン・アフェアーズ』に発表(「X論文」)。"
なんと享年101。長期的戦略で己の敵(死)を封じこめたのだろうが、永遠には続かなかった。

X論文については Wikipedia にまとまっている:
X論文 - Wikipedia: "X論文(X Article)とは、アメリカ国務省の政策企画本部長ジョージ・F・ケナン (George F. Kennan) が『フォーリン・アフェアーズ (Foreign Affairs)』誌(1947年7月号)に寄稿した論文である。正式名は「ソヴィエトの行動の源泉 (The Sources of Soviet Conduct)」。発表時の著者名が「X」となっていたことから、「X論文」と通称する。ただし、筆者がケナンであることは早くから知られていた。

いわゆる「封じ込め政策」[1]の理論的根拠をなす論考として知られている。"

ケナンのような頭のいい人たちを旨く使うシステムがアメリカでは昔から機能していた。政権交代があるとこういう人たちはみんな首になるが、ちゃんといろんなシンクタンクという受け皿があって、捲土重来を期して待機できるシステムである。日本の場合の政策頭脳集団といえばやはり霞ヶ関だが、政権が交代してもあいつらは変わらないので、新陳代謝がなされない。

2009年3月16日月曜日

「OUTRAGEOUS」を「言語道断」と訳さねばならない悲しさ

サマーズがAIGの高額ボーナスを「OUTRAGEOUS」と言ったという。NHKでは「言語道断」と訳していた。考えてみたけれど、他に適当な訳がない。なんで中国語なのか。ちょっと悲しくなった。

漢字熟語抜きでは日本語では抽象的な表現は出来ないのだと実感。みんなが漢文の素養があった明治時代はともかく、最近は「感性」の日本語なんかがもてはやされるらしいけれど、どんどん置いてきぼりを食っているみたいで、不安。年寄りの杞憂か。

日経:農中の1兆9000億円増資 ありあまる農村の貯金

今日の日経夕刊。考えさせられる:
NIKKEI NET(日経ネット):: "農林中金、1兆9000億円の増資を発表 農林中央金庫は20日、金融危機の深刻化に伴う損失の拡大に対応するため、2008年度中に約1兆9000億円の資本増強を実施すると発表した。JAグループ内で調達する。"
農村ではお金がありあまっているらしい。

抜粋:
  1. 信用農業協同組合連合会(信連)などの全国の農協(JA)、漁協(JF)グループは農林中央金庫が実施する総額1兆9000億円の増資に協力する。
  2. 信連などが農中に預ける30兆円以上の余裕資金への利息について、調達コストプラス0.8%という上乗せ金利(奨励金)を今後も4年間維持すると約束。
  3. 80兆円以上の貯金を集めながら、農協はその四分の一しか地元で貸していない。
  4. 家計調査によれば、農林漁業従事者世帯の純貯蓄は1500万円と、全世帯の平均(1200万円)よりかなり多い。
  5. 国内(農村)で投資に向かうお予定のないお金が多すぎることが、農中をして(損失をもたらした)国際分散投資へ追い立てたのに、なお貯金集めを奨励する制度を温存している。

都市勤労者世帯について言えば、住宅ローンの負担が多いので「純貯蓄」はマイナスの世帯が大半だろう。都市部には飛び抜けたお金持ちが多いので「平均値」はかなりかさ上げされている。だから農林漁業従事者の「純資産」は「平均的」都市勤労者に比較して飛び抜けて大きい(豊かだ)ということである。

それなのに、都市勤労者は、可哀想な農民の生活を守るためだとして、国際的に異常に高い農産物を制度的に強制的に買わされている。不条理である。

日経:カツオ節業界嘆き節……アホなブランド信仰はいい加減に止めたらどうか?

考えさせられた:
NIKKEI NET(日経ネット)カツオ節業界、嘆き節 製法や産地、大手2社が偽装:: "カツオ節業界、嘆き節 製法や産地、大手2社が偽装カツオ節 製造・販売最大手のヤマキ(愛媛県伊予市)と同2位のマルトモ(同)が食品表示を偽って商品を販売した問題を受け、カツオ節業界が苦境に立たされている。不祥事と不景気が重なり、売り上げは伸び悩み気味。一連の問題では、日本農林規格(JAS)法に対する業界の理解が不十分だったことも浮き彫りになり、「何のために基準があるのか」という疑問の声も上がる。「大手2社の不祥事はショックだった」。日本有数のカツオの産地、静岡県焼津市。カツオ節加工会社の男性経営者は「不景気と産地のイメージダウンが響いている」と肩を落とす。"
カツオ節は、なんでもおいしい。ところが消費者は「なんとかブランド」でないとダメだという「洗脳教育」の犠牲者。仕方なくそのブランドを偽装する企業が現れた。愛知県企業の技術者が創意工夫で開発したカツオ節の「新製法」の方が手間暇だけをかける非科学的な鹿児島の「伝統製法(枯れ節)」とやらより合理的・科学的であったかも知れないのに、農水省はこれはいけないことで犯罪であるとして創意工夫した企業に制裁を加えた。農水省はいったい味を比較してみたのか? ニッポンはなんかおかしい。

コメの「天日干し」とやらもそう。天日干しでどれだけ旨くなるかについては何らの科学的な証明はなされていない。でも農水利権団体はこれこそがコメに「付加価値」を付けて高く売る方法だと信じて、消費者にこの方がウマイという洗脳をしている。消費者は余分な手間賃だけを単にぼられているに過ぎないのだ。

カツオ節についても同じ。なんでも鹿児島産だといいものだという宣伝に騙されて消費者は余分にお金を払う。焼津のカツオ節で何が問題があるのだ。鹿児島産だと偽装された焼津のカツオ節業者が怒るのはもっともである。

いい加減にイナカ農水族が金にまかせて広告代理店を使って進める「ブランド」とやらを信仰することにはおさらばしたいものである。

NHK BSHi 「1919年パリ講和会議」

カナダのテレビ局製作のドキュメント番組。とてもよかった:
ハイビジョン特集フロンティア「1919 パリ講和会議~20世紀を作った6か月」: "1919年1月。第一次世界大戦末のパリに、世界のキーパーソンが集結した。イギリスのロイド・ジョージ首相、アメリカのウッドロウ・ウィルソン大統領、フランスのクレマンソー首相ら、世界32か国の首脳たち。彼らは「民族自決」「軍備縮小」「国際連盟の設立」など崇高な理念に燃えながら、次第に妥協を積み重ねて行った。20世紀の潮流を決定づけた国際会議の舞台裏を描き出す、歴史ドキュメンタリードラマ。"
人間の叡智の限界をつくづく考えさせられる名ドキュメント。結局ウィーン会議と同じく失敗だった。

人間は何度でも同じ過ちを繰り返すものだ(第二次世界大戦後の処理はこれほどお粗末ではなかったという議論もあろうが、あれは敗戦国が全部軍事占領されていたから話が違う。パリ講和会議で学んだことはそれぐらいだったか)。

今度の「世界恐慌」の各国協調もこんなのにならなければいいが。なにせ今度はわずか「二回目」だから。

3/16 Today 椎名素夫が死ぬ(2007)

椎名素夫 - Wikipedia"椎名 素夫(しいな もとお、1930年8月19日 - 2007年3月16日)は、日本の政治家、物理学者。東京都文京区出身。自民党副総裁、外相、通産相を歴任した椎名悦三郎の二男である。衆議院議員を4期、参議院議員を2期務め、知米派、国際派として活躍した。都立高校を経て、1953年に名古屋大学理学部物理学科を卒業する。電源開発に入った後、アメリカ国立アルゴンヌ研究所に入所する。帰国後、精密機械メーカーサムタクを設立し、自ら取締役に就任した。1979年、父悦三郎の後継者として、第35回衆議院議員総選挙に旧岩手2区から自由民主党公認で立候補し、初当選するが、父悦三郎は選挙の最中の9月30日に亡くなった。自民党国際局長、政調副会長などを務め、リチャード・アーミテージ米国元国務副長官やビル・ブラッドレー元上院議員ら米国に多くの知人を持ち、中曽根康弘首相とレーガン大統領による「ロン・ヤス会談」の成功などに貢献し、国際派として活動する。1990年の第39回衆議院議員総選挙で落選。1992年に同じ選挙区のライバルであった小沢一郎と協議の結果、参議院岩手選挙区にくら替えし初当選。1993年には自由民主党を離党し、無所属となる。2007年3月16日、肺炎のため死去。享年76。岡崎久彦とは旧制高校の同級生。"
選挙区が小沢一郎と同じだったのが、致命的だった。

ああいう選挙区では(というよりほとんどのイナカの選挙区では)、外交では(ウヨでもない限り)戦えない。ニッポンの悲劇である。

2009年3月15日日曜日

『繪本 即興詩人』(安野光雅)

絵本 即興詩人「羅馬に往きしことある人はピアツツア、バルベリイニを知りたるべし」で始まる森鷗外訳の『即興詩人』は読んでみようとは思ったことはあるのだが、例によって途中でほっぽり出した本。ところが安野センセイ、最近日経新聞で連載コラムを担当されているが、いかに『即興詩人』がすばらしいかを連発されている。これはご本人の「解説繪本」を読むのが一番だろうと思ってこの繪本を読んだ。絵が素晴らしいし、森鷗外の雅文を適宜引用されながらあらすじを紹介されている。安野センセイの作品登場人物の行動に対するコメントもあり(こんなことをしたらいけませんとか)、原本を読んでみようという気にさせる本で、たのしめます。

安野光雅先生は、写経のように『即興詩人』を写し書きされているそうだ(専用の原稿用紙までお作りになっている)。まさに病膏肓に入る境地。うらやましい。

さて、この繪本を読んで元気づけられ原文に再挑戦。おいらの持っているのは宝文館から出たもので一冊になっているがとにかく長くて旧仮名遣いで閉口したが、ようやく読了。はっきり言ってこの本を楽しむのは画工の精神と想像力が必要だなと実感。

イタリアの風景描写が素晴らしいのだが、内容は大したことないのだ(主人公がいい子ぶりした甘ったれでお尻ぺんぺんしたくなる)。鷗外の雅文体もこれだけ長くなると閉口。正直読み終わってホッとした感じ。(でも、イタリアには昔から盗賊が多かったんだなとか、新教徒は異教徒なので強姦してもいいと言うやつがいたんだなとか、妙なところで感心した)

原本『即興詩人』は画家の心をお持ちの方におすすめ:





3/15 Today シーザー暗殺(BC44)

ガイウス・ユリウス・カエサル - Wikipedia: "ガイウス・ユリウス・カエサル(古典ラテン語:Gaius Julius Caesar(ガーイウス・ユーリウス・カエサル)、紀元前100年頃7月13日 - 紀元前44年3月15日)は、共和政ローマ期の政治家、軍人であり、文筆家。

紀元前44年3月15日(Idus Martiae)、カエサルは、以前「『3月15日』に注意せよ」と予言した占い師に元老院への道中で出会い、カエサルは「何も無かったではないか」と語ったが、占い師は「『3月15日』は未だ終わっていない」と返答した。事件は元老院の開会前に起こったとされ、ポンペイウス劇場に隣接する列柱廊でマルクス・ブルートゥスやカッシウスらよってカエサルは暗殺された。23の刺し傷の内、2つ目の刺し傷が致命傷となったという。"
写真(クリックで拡大)で殺されるシーザーを見下ろしているのはかつての政敵ポンペイウスの立像。

暗殺の場所はフォロ・ロマーノに残っている元老院議事堂だと思ってきたが間違いで「ポンペイウス劇場」だった。フォロ・ロマーノの残っている元老院議事堂(クリア)は、シーザーが起工したものだが、まだ当時は出来上がっていなかったのである。

2009年3月14日土曜日

BSHi で「純情きらり」をやっている!

BSHi で再放送されている「純情きらり」を見て、泣けてしまった:
NHK 番組表: "【脚本】浅野妙子,【原案】津島佑子【出演】宮崎あおい,寺島しのぶ,西島秀俊,八名信夫,【語り】竹下景子"
人生はなかなか思うようには行かない。結局、多くの人の人生は世間とやらが「失敗」と見なす人生なのであろう。しかし、その中にきらりと光る部分もあるのである。

津島佑子の原作のよさに加え、宮崎あおいの存在感が圧倒的。薩長ウヨのおかげで人生を棒に振った無数の人々の姿を自分自身で代表して見事に演じている。

今度の「世界大恐慌」も長続きするだろう。根拠のない楽観主義はミスリーディングでしかない。現実をそのまま「写生文」のように見つめると実態が分かるのである。今後、無数の「桜子」が生まれる。歴史を振り返れば、今まで何度となく繰り返されてきた、ごく当たり前の現象だ。われわれはその中で、精一杯「きらりと光るもの」を見いだしてゆくしかないのである。

3/14 Today カール・マルクスが死ぬ(1883)

カール・マルクス - Wikipedia: "カール・ハインリヒ・マルクス(Karl Heinrich Marx, 1818年5月5日 - 1883年3月14日)は、ドイツの経済学者、哲学者、ジャーナリスト、革命家。20世紀において最も影響力があった思想家の一人とされる。親友にして同志のフリードリヒ・エンゲルスとともに、包括的世界観及び革命思想として科学的社会主義(マルクス主義)を打ちたて、社会主義革命により共産主義社会が到来する必然性を説いた。『共産党宣言』の結語「万国のプロレタリアよ、団結せよ!」“Proletarier aller Länder, vereinigt Euch!”の言葉は有名である。"
マルクスが言ったことはわりかし簡単なことだ。プロレタリアートは搾取されている(ぼられている)と言うことなのである。

搾取されないためには団結せよと、これまた簡単なことを言った。おかげでかなり成果が出て、いまや(GMなんか)強すぎる労組のおかげで会社が倒産の危機に立っているぐらい。これまた力関係だからしかたがない。

こうして「生産過程」における搾取は相当解消されたが、今なお残っている搾取は「消費過程」における搾取である。プロレタリアートは実質よりものを高く買わされることで、今なお搾取されているのだ。

昔のチリの鉱山労働者の悲惨な実態を唱った「サンタマリア・デ・イキケ」では、「労働者の賃金は鉱山会社の発行する切符で払われ、その切符は鉱山内での売店でしか使うことが出来ず、売店の価格は高いので二重に搾取される」というくだりがある。No se puede comprar a otras lugares aunque cosas sean mas baratas. Cuidado, esta prohibida la oficina ! (余所の方が安くても外で買ってはいけない、注意しろ、それは会社が禁止しているのだ)。

なんか現代ニッポンに似ている。独占資本家の生産過程での搾取はようやく下火になったが、独占供給体(全農)は独禁法の適用を受けないのでやりたい放題。ニッポンのプロレタリアートは消費過程で巨額の搾取の対象となっている。全農は巨大広告代理店に多額のお金を払って「高くても買います国産品」と国民をすっかり洗脳してしまっているから、プロレタリアートはそのことにすらに気がついていない。21世紀のビッグ・ブラザーは全農。

2009年3月13日金曜日

BSE全頭検査を継続するんだって……なんたるお金の無駄遣い

asahi.com(朝日新聞社):BSE全頭検査「やめられぬ」 全自治体、自腹で継続へ - 社会: "国が昨夏から補助金を打ち切った生後20カ月以下の国産牛に対する牛海綿状脳症(BSE)検査について、牛を扱う食肉衛生検査所を持つ44都道府県と33市の計77自治体がすべて、新年度も独自財源で検査を続けることが、13日わかった。多くは検査をやめても安全性に問題はないと考えていたが、消費者の「安心」を重視。「単独ではやめられない」とした。"
利権集団のごり押しは目に余る。そのコストはいったい誰が負担するのだ!

そもそもあいつらはこんなことを言っていた:

NHK、BSEディベート「たかが30億円だろう!」(南阿蘇農協組合長)……自利主義ががまかり通るBSE論議: "農協のエゴイズム主張に堪忍袋の緒が切れた東大の本間正義教授が「いったい誰の負担 で無意味な全頭検査をやるのか!」といったことに対して、農協組合長からの答えがこれ。トンでもない。全部納税者の負担だ。おまけに30億円では済まな い。彼等がこのBSE悪宣伝問題で手にした利益は数千億円に上る。それは全部一般消費者が払っている。"


農村利権集団の思いのままに振り回されるニッポンは、いったいこれからどこに行ってしまうのか?

NHK特報首都圏:自殺者が急増!……いったい誰の責任だ?

NHK首都圏放送センター [特報首都圏]: "景気の悪化が深刻さを増す中、去年の自殺者が3万2000人を超えることがNHKの取材で明らかになった。自殺者がはじめて3万人を超えたのは平成10年。その前年は証券会社や銀行の破たんが相次ぐなど金融危機に直面していた。そして去年、世界的な金融危機が発生、11年前と似た状況になってきている。そうした中、経済的に追い詰められ自殺する人が目立ち始めている。出口が見えない不況の中で、急増が懸念される自殺をどうすれば減らすことができるか考える。"
自殺者のほとんどが都市住民。可哀想なはずの農村住民の自殺はほとんどない。今の高すぎる食い物の値段のしわ寄せを一手に引きうける都市住民が餓えているのが一番の原因だ。

消費者が収入のいくらを食費に回しているかを示す比率がエンゲル係数。日本のエンゲル係数は米国の二倍以上だ。いま米国はたいへんな不況だが、自殺者は日本ほどいない。貧乏になっても食い物だけは大丈夫だからである。ところがニッポンでは年金生活者などの低所得者層は、収入のほとんどを税金や公共料金に回さねばならず、食べるものに回すお金はほとんど残らない。だから経済危機に於いては飢え死にに追い込まれるのである、ニッポンでは高齢者の自殺者が多いわけ。現役世代も「我がことにあらず」と思っていると大間違い。明日はまさに「わがこと」なのである。

これは農村既得権集団が、自分の収入を最大化するために都市生活者にシワを押しつけ、ニッポンの食い物の値段を異常に引き上げげていることが原因。あいつらが日本の自殺者をつくり出しているのである。自殺者数をなくそうと思えば、異常に膨れ上がった農村既得権益を、せめて「国際水準」に抑える以外、方策はないのである。農村既得権益と一体化した自民党じゃダメだ。

3/13 Today 上杉謙信が死ぬ(1578)

上杉謙信 - Wikipedia: "生誕 享禄3年1月21日(1530年2月18日)死没 天正6年3月13日(1578年4月19日)

大の酒好きであったが、他人と酒を酌み交わすような飲み方を好まず、ひとり縁側に出て、梅干だけを肴に手酌で飲んでいたと言われる。死因について、過度の飲酒とつまみの梅干による塩分の取りすぎによる高血圧が原因の脳血管障害と言われている(雪の中、厠で倒れたと史料にあることも、死因が脳溢血だと考えられる一因である)。他に、厠で用を足していた時に信長の派遣で雪隠隠れをしていた刺客に槍で刺されて殺害されたという説、婦人病(詳細は上杉謙信女性説に記載)で亡くなったとという奇説や、酒の飲みすぎからくる胃癌、食道癌説、織田信長にヒ素で毒殺されたなどの説もある。40歳(1569年)の時、脳血管障害(と思われる)を発症、左下肢を動かしにくくなった、と言われる。"
謙信女性説は「俗説」とのこと。

やっぱり塩分のとりすぎはいけない。

2009年3月12日木曜日

日経:ストラディバリウスのバイオリンを買うために自宅を売った(辻久子)

今日の日経夕刊で辻久子がバイオリンを買うために自宅を売った話を書いて居られる。大正解ではなかったか。

1973年、辻久子はどうしてもストラドが欲しくなって、夫に相談もせずに西宮甲子園の自宅を3500万円で売り払って現金を作ったという。無鉄砲この上なかったというような文章で書いて居られるが、金銭的にも大正解だったと思う。

1973年といえば、まだまだ土地バブルの時代。ニッポンの地面の値段は法外に高かった。国際比較で冷静に考えればどうしても高すぎると言うことがわかったはず。辻久子はさすが国際人だ。いまとなってはストラドの方がよほど値打ちがあったことは、誰の目にも明らかになっている。

現在に於いてもニッポンの地面の値段は(都心部の一部を除いては)異常に高い。地面の値段を高くすることが、戦後の自民党政権が代弁するイナカの利益に合致したからだ。おかげでニッポン経済はとてつもなく歪な形に奇形化してしまった。

「白河を越えれば一山十銭」(これは明治時代の薩長官僚が実際に言った言葉)だったのに、利用価値を無視した人為的な地価引き上げが行われた結果、ニッポンはおかしなことになってしまったのである。何千万円も払って「イナカで定年帰農」なんかは、決して考えてはいけません。

BSHi 世界わが心の旅アンコール :アルゼンチン……ニッポンの未来そのもの

これいい番組だった:
世界わが心の旅アンコール - Yahoo!テレビ.Gガイド [テレビ番組表]: "宗教学者の植島啓司さんが21世紀の聖地と考えるブエノスアイレスを訪れる。快楽の街に生きる人間の幸福を見つめ、混とんとした日本の未来を予感し、自分を見つめ直す。"
ブエノスアイレスでは、精神分析が流行だという。書店ではポルノ雑誌と一緒にフロイトが売られている。経済がこの50年衰退を続けるなかで、人々の心は病んでいるのだ。

アルゼンチンは、戦後既得権集団へのバラマキ福祉にあまりにお金を使いすぎたため、経済的にはまったく衰退してしまった。でも、少なくともその前に投資された都市インフラと都市文化は残っている。ブエノスアイレスにはその遺産である美しい都市景観とそれに伴う都市文化が残った。ニッポンにはこれすらない。

ニッポンにおいては、経済発展の成果は、そのほとんどが「フロー」として浪費されてしまったから(バラマキはまさに「フロー」的浪費だ)「ストック」は何も残らなかったのである。アルゼンチンよりひどい。だから、ニッポンの文化の根源を、現代にではなく、貧しかった江戸時代に求めるしかなくなってしまった。悲しいことである。

番組の最後にパタゴニア最南端のウシュアイアの街が出てきたことには感激。人間の原点はああいう壮絶な荒涼としたところにあるのだ。この本、古い本だが、文明とはなにかを考察するためにおすすめ。世界各国の観光地を旅行するのも結構だが、旅行して本当のショックを受けたいなら、パタゴニアに行け:




『薔薇の名前』(ウンベルト・エーコ)をやっと読んだ

30年遅れの読書術でもないけれど、昔のベストセラーにもいいものがある。楽しめます。映画でよく分からなかったところもこれを読んでよく分かった。








おいらは無学だから記号論なんかよく分からない。で、映画(ショーン・コネリー)との相違点のみメモしておく:

  1. バスカヴィルのウィリアムがアドソに与えた「眼鏡」。映画では単に貰ったとだけ言っていたような。あんな大切なものをアドソなんかにやってしまって、ウィリアムはその後の研究生活を放棄したのかと思っていたら、小説ではちゃんと眼鏡は二つあったことになっている。当たり前だよね。あれなしにはウィリアムは本を読むことが出来ないのだから、一つしかなかったら(自分はもう本を読まないと決心でもしない限り)やるわけはない。これ結構重要な意味の取り違えとなってしまう。
  2. アドソが関係を持った「娘」。映画では最後のシーンに現れる。映画では火炙りにはならなかったのだ。でも小説では火炙りにされる。小説通りでは映画は売れないと判断したのだろうが、これも大きな読み違えを引き起こす書き換え。娘と関係を持ったことでアドソは罪を犯す。その罪を娘(平信徒)が引きうけて火刑台で死ぬ。キリスト的な行為でさえあるのだ。平信徒と聖職者の立場の違い(ウィリアムによれば平信徒は石のようにエリート聖職者に利用される存在)を雄弁に物語るものであっただけに残念。
  3. 小説の最初にある年老いたアドソの長い記述を映画でははっしょっている(当たり前か)。若くて純真な青年も歳をとると頭が固くなるという実例として面白かったのに。

でも映画もとてもヴィジュアルで面白かった。良くできた映画化じゃないかと思う。「思いこみの強い輩」はいつの時代でもやっかいな存在だと言うことがよく分かる。「本」を巡る殺人事件なんて、神保町を徘徊する古書マニアの間にでも起こりそうな事件だけれど、当時の確執はあくまでも「本の中身」で生じたもの。稀覯本フェチとは全く性格が異なる。

3/12 Today 孫文が死ぬ(1925):「革命尚未成功」

孫文 - Wikipedia: "孫 文(そん ぶん、ソン ウェン、簡体字:孙文、繁体字:孫文、拼音: Sūn Wén 、1866年11月12日(同治5年10月6日) - 1925年3月12日)は、中国の政治家、革命家。初代中華民国臨時大総統。辛亥革命を起こし、「中国革命の父」と呼ばれる。 号は中山 (Zhōngshān)、字は載之。中国では孫文よりも孫中山(スン・ヂョンシャン)の名称が一般的であり、尊敬の念をこめて「孫中山先生」と呼ばれている。

1925年、有名な「革命尚未成功、同志仍須努力 (革命未だならず)」との一節を遺言に記して(実際には汪兆銘が起草した文案を孫文が了承したもの)北京に客死し、南京に葬られた。"


「中山」という号は日本人の苗字から來たものとのこと。知らなかった:
孫文が日本亡命時代に住んでいた近くに、「中山」という邸宅があり、その字を気に入り、孫中山と号すようになった。「中山家」は由緒ある公家(華族)の家柄であり、明治天皇の母の生家にあたる。

現在中国や台湾にある「中山大学」、「国立中山大学」、「中山公園」、「中山路」など「中山」がつく路名や地名は孫文の字に由来している。

2009年3月11日水曜日

「お金がないなら、道路は砂利道でいいではないか」(曾野綾子)

今日の日経夕刊「夕刊文化」。「甘えを捨てよ」とのタイトルで曾野綾子氏が名言を:
日本人は道路にお金がいる、ないから造れないという。それは金持ちの貧しさ。お金がないなら、さしあたり舗装をすることはない。雨が降れば水はたまるが、定期的に整備して砂利をまけば使える道路を私は(世界で)見てきた。
曾野綾子はウヨみたいなので嫌いなのだが、これは名言だと思う。

むかし教科書(?)かなんかでこんな話を読んだことを記憶している:
  1. 昔からの道路。雨が降れば泥濘になる。人は文句を言った。
  2. ある日、役所のトラックが来て砂利を撒いた。
  3. 砂利や石ころは迷惑だと人はまた文句を言って砂利をけっ飛ばした。砂利は黙っていた。
  4. 砂利はみんなに踏みつけられて、やがて地面と一体になった。道路は固くなって雨が降っても泥濘とはならなくなった。
  5. 人は固い道を快適に歩けるようになって、やっと砂利のことをありがたいと思った。

そう、今の世のニッポン人は甘えすぎ。文句を言えばお金はどっかからやってくると思っている。世界中がビンボーになったのだから、そういうことはない。みんなそれなりの生き方を模索しなくてはいけないのである。

日経:中国、資源確保へ動く 不況逆手に調達拡大……ニッポンの農水省は中国を見習え!

最近の中国には感心することが多いが、このニュースもそうだ:
NIKKEI NET(日経ネット):中国、資源確保へ動く 海外大手に出資、不況逆手に調達拡大: "【重慶=多部田俊輔】中国が海外の資源獲得に攻勢をかけている。ブラジルやロシアの石油会社に融資して長期の原油調達契約を結び、オーストラリアの資源会社への出資を決めた。投資総額は約5兆6000億円にのぼる。資金繰りが悪化している資源大手への資金提供を通じて影響力を確保。世界的な不況を逆手にとり、中国経済の成長に必要な資源の調達先を広げている。"
ニッポンの農水省も、少しは中国を見習ったらどうだ。

ニッポンの農水省は、食料自給率が危機的水準にあると国民に恐怖感を煽りながら、やっていることは国内農家への追加支援とか、国民に食料自給率を高めるために粗食をしろとか、もっとコメを食えとかの国民洗脳活動(食育とかいうらしい)だけ。食料自給率が低くて問題なのであれば、中国が石油や金属資源でやっているように、積極的に海外の農地を買収して自前の食糧供給体制を整備することではないのか。

でも、ニッポンの農水省は、絶対にそれをやらない。かれらの「農業政策」とやらの目的は、日本国民に「安定的に食糧を供給する」ことではなく、ニッポンの農民に「安定的な収入」を確保することにあるからである。

かくして、ニッポンの「農業」は滅び、ニッポンの「農民」だけが経済的に栄えるという異常な状況が生み出された。被害者は都市住民なのである。

子供にデンタルフロスの使い方を教える母ザル!

野生の母ザル、子に歯磨き“しつけ”?…京大霊長類研調査 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞): "正高教授らによると、バンコク北東のロブリーの仏教寺院に住むカニクイザルが約10年前から人間の髪をデンタルフロスのように歯間に差し込み、カスを取る様子が確認されていた。

調査は昨年2月から2か月間、ロブリーで、1歳の子を持つ母ザル7頭の歯磨きの様子を映像に記録して実施。その結果、母ザルが子どもと向き合った時は、髪を口に出し入れしたり、髪を口に入れて歯をかみ合わせたりする平均回数が倍増。1回の歯磨きの時間も平均2秒長かった。"
テレビで見たがデンタルフロス(人の髪の毛)の使い方がすごく器用。小ザルも母ザルを一生懸命注視して「勉強」している。

この動画を YouTube で探したけれど、見あたらなかった。残念。

歯間ブラシもいいけれど、一番はデンタルフロス。苦手な人はこの母ザルのやり方を見て「勉強」すること。

3/11 Today ペニシリンの発見者アレクサンダー・フレミングが死ぬ(1955)

アレクサンダー・フレミング - Wikipedia: "サー・アレクサンダー・フレミング(Sir Alexander Fleming, 1881年8月6日 - 1955年3月11日)はイギリスの細菌学者である。抗菌物質リゾチーム(lysozyme)と、アオカビ(Penicillium notatum)から見出した世界初の抗生物質、ペニシリンの発見者として知られている。"

この発見のおかげで世界はたいへん助かった。兼好法師も言っている:「もつべき友は、一にものくるる友、二に薬師(くすし)、三に知恵ある友」と。この順番には結構深いわけがある。

2009年3月10日火曜日

日経「十字路」:吉田春樹が「日本型経営」を語る

今晩の日経夕刊「十字路」。懐かしい吉田春樹センセーの寄稿。吉田春樹が書いた1987年の『米国産業の実力』が今だなお読まれるべきだという。

この本は当時けっこう話題となったので、おいらも読んだ:



アメリカの産業はダメ、ニッポンが勝つという、興銀産業調査部を動員した「星取り表」を使った「分析」。ウヨだったおいらも当時、この本を読んでいてとっても嬉しくなってしまった。

その後の経過はご存じの通り。吉田春樹の予測は全くはずれ、日本産業は見事に負けてしまった。でもいま吉田春樹は、1987年当時の予測は見事に外したが、2009年移行の展開はその予測通りになると。エコノミストは無責任なのだ。

重要なことを看過している。米国がすでに製造業を見捨ててから30年以上。製造業が未来を決するとはさらさら思っていないのである。イギリスはもっと前から製造業を見捨てた。アングロサクソン国でのサービス業へのシフトは国家的戦略だったのである。ライオンの食い残しであるところの製造業の「星取り表」をいくら吟味していても、国の総合経済力の分析には全く無意味だ。

西欧でサービス・金融業が今一時的にダメになっているから、ニッポンはせめて十八番の製造業で復権しようというのわからないでもないけれど、果たしてどうか。いまニッポンが製造業で相手にしなくてはならない国は、アメリカやヨーロッパではない。中国なのだ。

既得権労組によって根源的なダメージを受けてしまった欧米の製造業とは違い中国の製造業は欧米以上に市場経済的。中国製造業を相手に、果たしてニッポンの戦後の労使一体の家族的戦略は通用するのか。いまだに農村地主の既得権益に振り回されて飛行場の建設すら意のままにならないニッポンである。甚だ疑問。


長ねぎは「丸カブリ」するものなんだ!(NHK番組)

昔の番組らしいけど、感動した:
NHK 番組表: "中国・青海省の中部高原に発した黄河は、5000キロという長大な距離を流れ、一路、渤海を目指す。第10集では、未踏の河口地帯から渤海に至る黄河の姿を紹介する。【語り】緒形拳(初回放送:1987年3月8日)"
感動したところはいろいろあるけれど、ピカイチは中国人の長ねぎの食い方。小麦粉パンケーキと一緒に「丸かじり」するのだ!

これは聞いていたけど、やはり映像の力はすごい。薄焼きのクレップみたいな小麦粉パンを片手に長ねぎを丸かじりして食っている!

まさにパール・バックの『大地』の世界である。主人公「王」の息子は、北部の出身だが上海に来て、南部の主食のコメに辟易する。故郷では噛みごたえのあるパンとネギが食えたのにと故郷を思い起こすシーンが印象的だった。いままで中国北部の食文化はよく分からなかったが、この番組に映像を見てそれを実感。

中国ばかりではない。アメリカでもそうみたい。「ブロンデイ」というマンガでも主人公のダグウッド・バムステッドは長ネギが大好き。いつも丸かじりしているのだが、奥さんのブロンデイに、臭いと言ってこっぴどくやっつけられながら止めようとしない。アメリカ人の男はエライのである。

むかし読んだの北欧の海洋小説(名前失念)でも、漁師の昼飯は固いパンと生の玉ねぎと決まっていたと書いてあった。玉ねぎは舷側の手摺りでゲンコツで割ってパンと一緒にむしゃむしゃと食うのだ。チーズがあれば最高。一緒に挟んで食う。

質実剛健を目指すおいらも今晩さっそく真似をしてみた。パンがなかったけれどチーズで代替。長ねぎを囓りながらチーズ(なんでもいい)を食う。これ文化的ショック。まことにいいです。お試しあれ。

世界は昔から「質実剛健」。現代ニッポンの農村既得権集団に煽られた「美食グルメ」とやらは、行きすぎ。あんなことをしていたら、どんどん世界に負ける。

3/10 Today 東京大空襲(1945)

東京大空襲 - Wikipedia: "被害 警視庁の調査での被害数は以下の通り。

死亡:8万3793人
負傷者:4万918人
被災者:100万8005人
被災家屋:26万8358戸

死者数は遺体が早期に引き取られた者は含まれておらず、他に行方不明者も数万人規模で存在することから、実際にはより多い。民間団体や新聞社の調査では死亡・行方不明者は10万人以上と言われる。東京市街地の東半部、実に東京35区の3分の1以上の面積(約41km2)が焼失した。"


稀代の歴史証言者である永井荷風はその夜のことをこう記録した:
三月九日、天気快晴、夜半空襲あり、翌暁四時わが偏奇館焼亡す、火は初長垂坂中程より起り西北の風にあふられ忽市兵衛町二丁目表通りに延焼す、余は枕元の窓火光を受けてあかるくなり隣人の叫ぶ声のただならぬに驚き日誌及草稿を入れたる手革包を提げて庭に出でたり、谷町辺にも火の手の上るを見る、又遠く北の空にも火光の反映するあり、火星は烈風に舞ひ紛々として庭上に落つ、余は四方を願望し到底禍を免るること能はざるべきを思い、早くも立迷ふ煙の中を表通りに走出で、木戸氏が三田聖坂の邸に行かむと角の交番にて我善坊より飯倉へ出る道の通行し得べきや否やを問ふに、仙石山神谷町辺焼けつつあれば行くこと難しかるべしと言ふ、道を転じて永坂に到らむとするも途中火がありて行きがたき様子なり、時に七八歳なる女の子老人の手を引き道に迷へるを見、余はその人々を導き住友邸の傍より道源寺坂を下り谷町電車通りに出で溜池の方へと逃がしやりぬ、余は山谷町の横町より霊南坂上に出で西班牙公使館側の空地に憩ふ、下弦の繊月凄然として愛宕山の方に昇るを見る、荷物を背負ひて逃来る人々の中に平生顔を見知りたる近隣の人も多く打ちまぢりたり、余は風の方向よと火の手とを見計り逃ぐべき路の方角をもすこし知ることを得たれば麻布の地を去るに臨み、二十六年住馴れし偏奇館の焼倒るるさまを心の行くかぎり眺め飽かさむものと、再び田中氏邸の門前に歩み戻りぬ、巡査兵卒宮宅の門を警しめ道行く者を遮り止むる故、余は電信柱または立木の幹に身をかくし、小径のはづれに立ちわが家の方を眺る時、隣家のフロイドルスペルゲル氏褞袍にスリッパをはき帽子もかぶらず逃来るに逢ふ、崖下より飛来りし火にあふられ其家今まさに焼けつつあり、君の家も類焼を免れまじと言ふ中、わが門前の田島氏そのとなりの植木屋もつづいて來り先生のところへ火がうつりし故もう駄目だと思ひ各その住家を捨てて逃来りし由を告ぐ、余は五六歩横町に進入りしが洋人の家の樫の木と余が庭の椎の大木炎々として燃上り黒煙風に渦巻き吹つけ来るに辟易し、近づきて家屋の焼け倒るるを見定ること能はず、唯火焔の更に一段烈しく空に上るを見たるのみ、是偏奇館樓上少からぬ蔵書の一時に燃るためと知られたり、火は次第にこの勢に乗じ表通へ焼抜け、住友田中両氏の邸宅をも危く見えしが兵卒出勤し宮様門内の家屋を守り防火につとめたり、蒸気ポンプ二三台來りしは漸くこの時にて発火の時より三時間程経たり、消防夫路傍の防火用水道口を開きしが水切にて水出でず、火は表通曲角まで燃えひろがり人家なきためここにて鎮まりし時は空既に明く夜は明け放れたり、


つくづく思うのは、戦争を始めるのはイナカモンのウヨで、戦争の被害者は都市住民であるということ。みんなもう少し自分の損得を考えるようにしないと、時代の「空気」とやらに流され、自分が被害者となってしまう。

2009年3月9日月曜日

スズキは蒸し焼きで食べるのが良い!

前回ポーチして食べた中国産の冷凍スズキの半分が残っていた。クルーゼ鍋で蒸し焼き。これ正解。

クルーゼ鍋にオリーブオイルを敷き、冷凍スズキを入れ、ジャガイモをそのまま加えて、弱火で30分。おわり。

ポーチド・フィッシュにするよりこっちの方がおすすめ。ポーチにするとどうしても魚の生臭さが台所に漂ってしまうので(ネコは喜ぶが)香ばしく蒸し焼きにする方がいい。この鍋はななかなか優れものだ。「おひとりさま」の必需品。

いま出回っているジャガイモは、なかなか美味しい。おいらみたいなビンボー人にはコメなんかとても高く手が届かないので、もっぱらジャガイモや小麦粉製品を食っている。ジャガイモはビタミンCもあって、栄養満点。あくどい既得権集団にボラれる心配もない。

ジュール・マザランが死ぬ(1661)

ジュール・マザラン - Wikipedia: "ジュール・マザラン(Jules Mazarin,1602年7月14日 - 1661年3月9日)は17世紀フランス王国の政治家、枢機卿。イタリア人でイタリア名はジュリオ・マッツァリーノ(Giulio Mazarino)。ラテン語形はユリウス・ライムンドゥス・マザリヌス(Iulius Raimundus Mazarinus)なので、ジュール・レーモン・マザランとも。政策的にはリシュリューを継承し、後のルイ14世の絶対王政の地均しをした。"
リシュリューの後継者。この二人の名宰相が続いたおかげでヨーロッパのイナカ国だったフランスは強国となった。

もともとはイタリア人だったことは驚き。「迷」首相ばかりが続くどっかの国も外国から宰相を「輸入」してはどうかな。クリントン坊やとかシラク爺さんなんか、最近は暇を持てあましているようだから、ボランティアでやってくれるかも。

2009年3月8日日曜日

「動物園のサル山と同じで、狭いとダメだが広いと好きなことが出来る」(松原治)

紀伊國屋書店会長の松原治氏が名言を:
堂々現役 - Yahoo!テレビ.Gガイド [テレビ番組表]: "堂々現役〜巨匠からのメッセージ〜(ゲスト:松原治)
堂々たる人生が堂々たる未来へのメッセージを生む! 強い目的意識と旺盛な行動力で日本の夢を創り今も現役として活躍するスーパーリーダーたちの人生と業績の軌跡に迫る!"

松原氏が若くして配属された満鉄調査部は、まさにこういった雰囲気だったという。

日本の若い世代が読むべき本として、この本が松原氏のおすすめだという:



そう、狭い世界でウヨになって自己満足していては、将来はない。おいらも読んでみようかな。

ブラジル直輸入の冷凍チキンはとても品質がいい!

今晩息子が晩飯に来るという。冷蔵庫の中にはなにもないので外食しようと思ったが、冷凍庫の中にニッシンで買ったブラジル産の冷凍チキンがあることに気がついた。成鳥をまるごと冷凍したもので値札は514円。これを使うことにした。

オーブンを使えばいいのだろうが、面倒くさい。クルーゼの鍋に冷凍チキンをまるごと放り込む。ベルギー産の冷凍芽キャベツとジャガイモを加え、塩胡椒と少しの香料以外はなにも加えず、弱火で約一時間。おわり。

クルーゼの鍋なんて上品なものは今まで使ったことがなかったが(もっぱらダッチオーブン派だった)、これ大成功。まさに絶品。旨かったですよ。下町のこだわり「なんとか産」焼き鳥なんかより、よほどウマイ。肉の調理法の基本は、弱火だね。

神田須田町なんかのいわゆる老舗「とり鍋屋」は、調理温度の加減と多量の醤油と砂糖を入れるのがイマイチ。これぞ「ニッポン文化」だとか言うが、そんなに自慢できるもんじゃない。おいらの方がよほど上手だな。

3/8 Today 忠犬ハチ公が死ぬ(1935)

忠犬ハチ公 - Wikipedia: "忠犬ハチ公(ちゅうけんはちこう、1923年11月10日(12月16日説もある ) - 1935年3月8日)、ハチは、秋田県大館市出身の秋田犬。

1924年から東京帝国大学(現・東京大学)農学部の教授、上野英三郎に飼われることになった。上野の存命中は、玄関先や門の前で上野を見送り、時には最寄駅である渋谷駅まで送り迎えすることもあった。上野の自宅は、現在の東急百貨店本店(旧大向小学校)周辺と言われている。

1925年5月に上野が急逝した後も、毎日渋谷駅前で主人の帰りを待ち続けたとされ、東京朝日新聞の記事により世間一般に知れ渡った。主人を慕うハチの一途な姿は人々に感銘を与え、「忠犬」と呼ばれるようになった。

1935年3月8日午前6時過ぎ、ハチは普段行かない渋谷駅の反対側の渋谷川に架かる稲荷橋近くにある、滝沢酒店北側路地入り口で死亡。13歳。"


こういう話を聞くと、やっぱりネコよりイヌの方が頼りになると思うな〜。うちのネコと来たら……。

2009年3月7日土曜日

NHKニュース:大阪生野区の71歳のおばあさん、ひったくり強盗を捕まえる!

このおばあさんはエライ:
NHKニュース 71歳女性にひったくり降参: "7日午前、大阪・生野区の路上で自転車に乗っていた71歳の女性が後ろから来た自転車の男にかばんをひったくられました。女性は、およそ300メートルにわたって男を追跡し、かばんを取り返しただけでなく、逃げた男をなおも追いかけて取り押さえ、警察に引き渡しました。"

大阪人にとって自分のお金は何よりも大事なもの。盗まれることは許し難いことなのである。大阪では「振り込め詐欺」はほとんど発生しない。これは大阪人がガメツイとか言う以上に、振り込め詐欺に遭ってしまう他の地域の人がナイーブすぎることが原因だろう。長年、他人(お上や隣組の人)の言うことにはへいへいと従ってきた習性が影響しているのだと思う。

実質価値より高い値段で売り付けられることは、泥棒に遭うことと同じだ。このおばあさんみたいに大いに怒るべきなのである。しかし、昨今、実質が伴わない商品に「産地ブランド」とやらをくっつけることで高値で売る泥棒商法が横行しているようだ(特に農産物)。安い外国品を制度的に買えないようにしておいて国産品を高く売り付けるというやり方は泥棒と同じだ。合理的人間は激怒するはずのものだが、いまだに騙される人が多いということは、ニッポンにはまだまだイナカモンが多いと言うことである。

悲しむべきことである。

『荷風と静枝―明治大逆事件の陰画 』(塩浦彰)

このところすっかり荷風関係の本はご無沙汰していたが、こんな本が出ていた。荷風と八重次(静枝)と大逆事件というテーマ。大逆事件が荷風に大きな影響を与えたことは知られているが、今まで八重次はあくまでも「荷風の数ある女友達のうちの一人」という捉え方がされてきた。だったたら「矢はずぐさ」はなんだというところだが(あれは八重次に未練たらたらのとても気合いの入った感動的な文章)、著者(塩浦彰氏)も同じような問題意識から荷風と八重次の関係につき、きわめて浩瀚な調査を行い、八重次こそ荷風にとっての特別な存在であったことを立証している。同時に両者にとっての大逆事件の意味合いを探る。良書である。



荷風の読み方は実にさまざま。いろんな読み方があり、人それぞれに荷風が好きな理由が異なる。著者は荷風を明治以来の「ニッポンシステムへの反抗児」として捉えている。この捉え方には同感。ニッポンの政治家、役人、軍人、新聞記者、彼らの宣伝誘導によって踊らされる大衆と、大政翼賛を子宮的に叫ぶ奥さま・女学生などの良妻賢母連中と、イエ制度と親戚づきあい。何れも荷風が蛇蝎の如く嫌った対象である。でも荷風にはシステムを変える力はもとよりない。荷風の逃げ場は、過ぎ去った江戸文化と社会からのはみ出しものである底辺の女性となった。八重次にしても芸者というアウトローを自ら選択し自立していった女性(後には文化功労者にまで成る)。両者は似たもの同士だったのである。

平成のニッポンでは、戦前への先祖帰り現象が見られる。荷風が嫌った勢力がまたぞろのさばりはじめている。だからこそ、いま荷風はこういった視点で読み直されるべきだと思う。

3/7 Today スタンリー・キューブリックが死んだ(1999)

スタンリー・キューブリック - Wikipedia: "スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick, 1928年7月26日 - 1999年3月7日)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市ブロンクス生まれの映画監督。"


この映画が大好き:




長い間、ハルに殺されかかった船長がヘルメットなしで真空空間から船内に突入するシーンはおかしいと思っていたが、Wikipedia によれば、科学的には可能とのことである。勉強した:

2001年宇宙の旅 - Wikipedia: "一見間違っているように見えても、間違っていないところも存在する。

ボーマン船長がポッドからディスカバリー号へ戻る時に、宇宙服のヘルメットなしで真空中に出るシーンがある一般的には真空中に出ると体が爆発したり血液が沸騰するなどというイメージが浸透しているが、実際は短時間であれば科学的に可能と考えられている。"

2009年3月6日金曜日

ポーチド・フィッシュ(スズキ)に挑戦!

あまり食欲がないのであっさりとしたものが食いたくなり、冷凍庫を見ると中国産のスズキの冷凍フィレがあった(200グラム500円)。たまたま読んでいた丸元淑生センセーの本に、白身魚はポーチするに限るとのお説があったので、半分に切って試してみた。これ結構むつかしい。

ポーチド・フィッシュとは要は「湯がき」のこと。70°ぐらいのお湯で魚をゆっくり加熱する。温度が高すぎたり時間が長すぎたりすると魚がパサパサになるので難しい。丸元先生によると、適性加熱時間(y)は、魚の厚み(x)の関数であり、y=ax(二乗)であること。係数(a)はタラの仲間の場合 0.5 、鮭の場合 0.7 、ニシンやマグロの場合 1.4 となるとのこと(時間は分、厚みはセンチ)。スズキは書いてない。おまけにこのスズキは冷凍。困ったね。

電子レンジで冷凍スズキを適当に解凍し(二分ぐらい)、鍋にスズキを入れ、ひたひたになるぐらいに冷水を加え、適当にスパイスを入れ、レモン汁と胡椒を入れ、火を付ける。沸騰したら、丸元センセーの関数通りの時間弱火で煮て、時間が来たら火を止めて15分放置。

食ってみたらちょっとパサパサになっていたが立派なスズキ料理。すこし時間をかけすぎたが、魚の臭みがなくそれなりに旨かったですよ。加熱時間が適切であれば絶品であったと思う。これはとても奥が深い料理。再度挑戦することにして、おしまい。

付け合わせに新じゃがを皮をむかず電子レンジでチンして食う。これはちょっとガリガリしていた。加熱時間不足。修業修業。

日経夕刊連載の山本一力「おたふく」……弁当代30文はいくらなんでも高すぎるのではないか!

日経夕刊で連載している「おたふく」(山本一力)。面白いので毎回読んでいるが、作者の「政治的」主張がとてもクサイ。今度はどんなことを言うのかと思っていたら、今晩、職人相手の弁当屋をはじめる裕治郎は弁当の値段を30文と決断することとなった。見習い小僧の日当が70文であるに対して、あまりに高い。

「儲けのない商いは、詰まるところ客に迷惑をかけて畳む羽目になる」という友人駿喜の言葉を入れての決断だが、山本一力はここで言いたかったことは、現在のニッポンで流行っている「安売り」ビジネスへの批判であることはあきらか。コストが掛かる以上消費者はそのコストを負担しなければならないという生産者側に立った「哲学」である。山本一力がこういう具合に話を誘導してゆくことは一週間前からミエミエの展開だったが、あんまり「生産者(既得権集団)」擁護志向が強すぎやしないか? > 一力先生よ。

見習い小僧は「美味しい弁当を届けて貰えるなら、三十文でも御の字だ」と言っているとのことだが、日当の40%以上をたかが昼飯に支出する「見習い小僧」の消費態度こそが問題で、立派な社会人であれば、もっと堅実に身の丈にあった消費をするのが人間の道だと小僧を説教するのが大人の努めであったのではなかったか?

現代ニッポンでは、食い物はこれがウマイのだと、勝手に都市のビンボー人を騙して宣伝・洗脳し、ビンボー人からなけなしのカネを搾取する輩が多すぎる。裕治郎のやっていることは、それと同じで都市勤労者をミスリードしてお金を遣わせ、彼らに害を及ぼすことだ(ウマイ・マズイは主観的なもので裕治郎の決めることじゃない、麦飯でもおいらみたいにウマイと思う人にはウマイのである)。そのことに山本一力氏が気がつくことを願ってやまない。

3/6 Today 丸元淑生が死んだ(2008)

丸元淑生 - Wikipedia: "丸元 淑生(まるもと よしお、1934年2月5日 - 2008年3月6日)は、作家、料理研究家。大分県生まれ。東京大学仏文科卒。1978年「秋月へ」で芥川賞候補、1980年には二度芥川賞候補。『丸元淑生のシステム料理学』で自身の健康のために栄養によく廉価な料理の方法について書き、以後もっぱら栄養の点から見た料理の研究家として著書多数。
2008年3月6日、食道がんで死去、74歳。"
丸元淑生センセイの教え通り調理して食べて居ればみんな「不老不死」になるのではないかと信じていたが、ご本人は意外とはやく亡くなられた。神様は気まぐれなのだ。

それにしても「東大仏文」の人は個性が強い。あの学科は実に多彩な人材を輩出している。特徴的なのは、明晰で断定的な文章。人生はあまりに混沌としたものだけに、その分析は鋭くなければならないのである。

これを読んで老化を遅らせよう:




こっちはもっと実用的:



2009年3月5日木曜日

ニッポンの自殺者数、年3万人を超えるペースで増加中!

今晩のNHKニュース:
NHKニュース 1月の自殺者は2645人: "ことし1月の自殺者は、去年の月ごとの平均よりはやや少ないものの、年間に換算すると3万人に達する深刻な数となっています。地域別にみますと、最も多いのが人口も多い東京の255人で、次いで大阪の159人、埼玉の155人などとなっています。"
やっぱり大都市圏で自殺が多い。不況で一番苦しんでいるのは都市住民なのだ。それなのに自民党政府は地方へのバラマキ政策を続けている。これはおかしい。

このブログに書き込みをしたイナカ住民に言わせれば、都市住民とは所詮「無頼の徒」であり、乞食と変わらないらしい。でも、その「無頼の徒」の働きのおかげでイナカの住民はテレビも洗濯機も買えるようになった。彼らイナカ住民はニッポン経済の発展のためには何らの貢献もしていなかったのに、その成果だけは享受している。そのくせ都市住民を「無頼」と見下す。不条理である。

「都市対イナカ」の利害対立軸をもっと突き詰めて考えてゆかねば、ニッポンの将来はない。

松阪肉の「本家」が松阪肉を偽装していた事件

あらら:
NHK三重のニュース: "高級和牛「松阪牛」の専門店として営業している、三重県松阪市のしにせのレストランが「松阪牛」ではない肉を客に提供していた疑いがあるとして、三重県は5日午後、このレストランに立ち入り調査に入りました。

このレストランは「松阪牛の専門店」として営業している創業明治15年のしにせ、「北村松阪店」で、5日午後2時前、三重県の担当者5人が調査に入りました。"

もういい加減に「ブランド信仰」から脱却するべき時ではないか?

このレストランは、いわば「松阪肉ブランド」を全国的に広めた老舗。その老舗が自分たちの「ブランド」の値打ちはないことを(普通の牛肉とくらべて違いはないことを)自ら認めていたということなのである。今まで踊らされてきたのはアホな消費者であった。

おいらは国産霜降り牛肉と養殖ブリは絶対に食わない。何れも脂でギトギトしており、食った後は石鹸で口を洗いたくなるからだ。回転寿司で出される「脂肪注入」のマグロ「大トロ」と同じこと。趣味が悪い上に健康に悪い。

ニッポンも脂ベトベトの国産霜降り牛肉を有り難がるヒャクショウ的風潮とはそろそろおさらばしたいものだ。でも健康に良くて味がある輸入牛肉は、国内牛肉農家を保護するためのとてつもない高関税や輸入禁止措置でなかなか口に出来ない。悲しむべきことである。

荷風の合理的「にんじんごはん」

永井荷風 ひとり暮らしの贅沢 (とんぼの本)から写真を借用。独身者荷風定番のお昼ご飯である。この本は女性が主に書いている。いま荷風は「おひとりさま」に注目されているようだ。

さて「にんじんごはん」の作り方は:






徳川無声が正岡容から聞いたところによると、次の手順で作るらしい(秋庭太郎『考證永井荷風』):
  • エンガワの前の沓ぬぎ石に、煤けたコンロをおき、拾ってきた木片を燃やして、木炭を数個投げこみ、その上に煤けた土鍋をかける。
  • それから一山いくらの野菜を、なにかに構わず、釜の蓋の上でサクサクと切り刻む。
  • 刻んだやつを、(南京米や雑穀などと一緒に)一切合切中に入れて、グツグツ煮えたところを杓子でかき回す。そのきたならしく見えること言語道断だ。
  • 正岡:「センセイ、そ、そ、そんなことして召し上がっては美味しくないでしょう?」
  • 荷風:「正岡さん、今の世にいったい、ウマイというものがありますか?」

写真では結構おいしそうに見えるが、人によっては「言語道断」となる。面白い。

ともあれ「今の世にいったい、ウマイというものがありますか?」という荷風の言葉は、平成の世にも通用するのだろう。かつては美食家で知られ、東京の高級レストランを辛口批評で軒並みなぎ倒した天下の荷風の言葉である。重たい。今の世のグルメブームも、しょせん誰かに「ウマイ」と思いこまされて「タカイ」ものを食っているだけの話じゃないのか。

この本(永井荷風 ひとり暮らしの贅沢)は内容も写真もいい。写真のまるい軍用アルミ鍋は荷風の遺品。とっておきの未発表原稿(さる事情によって今後永遠に刊行されることはない)の抄も入っている。保存版。

3/5 Today 団琢磨が暗殺された日(1932)

團琢磨 - Wikipedia: "團 琢磨(だん たくま 安政5年8月1日(1858年9月7日) - 昭和7年(1932年)3月5日)は、日本の工学者、実業家。アメリカで鉱山学を学び、三井三池炭鉱の経営を行う。炭鉱経営に成功し、戦前の三井財閥の総帥であった。三井合名会社理事長、日本工業倶楽部初代理事長を務めた。工学博士。男爵。昭和7年(1932年)3月5日、東京・日本橋の三越本店寄り三井本館入り口で、右翼団体血盟団の菱沼五郎に狙撃され、暗殺された(血盟団事件)。"


団琢磨は團伊玖磨の祖父。團伊玖磨は当日の記憶を『パイプのけむり』に感動的な文章で書いている(「パイプのけむり(1)」昭和40年3月「暗殺」)。

『パイプのけむり』については下のインデックスが役に立つ(おいらの労作):

パイプのけむり INDEX: "S40.3.19 暗殺 1 パイプのけむり 回想 団琢磨暗殺の日の記憶。当時八歳だった。"



2009年3月4日水曜日

「人は死ぬのが分かっているのに、なんで生まれてくるん?」(川上未映子)

今晩、何の気なしに見ていたテレビ番組。この言葉が引っ掛かった。番組:
わたしが子どもだったころ - Yahoo!テレビ.Gガイド [テレビ番組表]: "川上未映子31歳。作家デビューわずか一年で芥川賞を受賞。深い人間関係を描きたいと言う川上。そこには少女時代に真摯に向き合ってくれたおばあちゃんの存在があった。"
今どきの作家とのことで、彼女の作品はもちろん読んだことはないが、番組での彼女の言葉の力には圧倒された。ニッポンも棄てたものではない。

彼女の言葉は、東京の元イナカモンの人造的な言葉とは違って、生活に根ざした存在感がある。オンナ鶴瓶か。

掲題の問いかけ。おいらも正直わからんです。

日経:日本の観光競争力、25位に低下 外国人への開放性低く

このニュース:
NIKKEI NET(日経ネット):日本の観光競争力、25位に低下 外国人への開放性低く: "【ジュネーブ=藤田剛】世界経済フォーラムが4日発表した2009年の旅行・観光競争力報告によると、調査対象となった133カ国・地域の中で最も旅行や観光業の成長力がある国は前年と同じくスイスだった。鉄道網など交通インフラの充実や業界の人材能力の高さが評価された。4位までを欧州諸国が占め、「観光立国」を目指す日本は前年より2つ順位を落とし、25位となった。"
まあ、今のニッポンでは外人嫌いで攘夷思想のウヨの蔓延りが目に余るから、ほぼ妥当なところか。

ウヨは「おいらは外国人観光客のチップを貰って暮らしたくはない!」というところだろう。その意気やよし。でもウヨは「観光」の本来の意味するところを理解していない。観光とはこういうものなのである↓

「観光立国」といっても内閣があんなじゃ


観光とは「国の光」なのである。観光客が寄りつかないような国は、すなわち「光」がないということで、「落ち目」なのである。

攘夷で金を儲けることしか期待していない既得権集団がニッポンに蔓延っているかぎりニッポンは落ち目まっしぐら。それで損をするのは一般庶民。ウヨ攘夷主義者は(ニッポンが落ち目になるのを横目で見て)大儲け。不条理である。

カセットガスボンベが使えるBBQグリルが発売される!

今朝の日経で読んだが、いい新製品が発売される。市販のカセットガスボンベが利用できるバーベキューグリル:
カリフォルニアパティオ ガスグリル & バーベキュー
今まで学校の文化祭の度に家庭用カセットコンロを使ってBBQや焼きそばを作り爆発事故を起こすアホが絶えなかったが、これなら大丈夫。炭火BBQはカッコイイが、半日がかりとなるし普通の人は(保証するが)必ず失敗する。文明の利器LPGを使おう。

これを開発した人(在日アメリカ人)のブログも面白い。BBQについての男女の感覚の違いが書いてある。BBQをやろうというのはほとんどが男の方。ところが準備と後片付けするのはほとんどが女性とのこと(アメリカのデータ)。これは人類の起源に由来すると:
BBQに関するアンケートで、男性がパワーと戦っていることが明らかに! | カリフォルニアパティオ

薪ストーブでも同じことが言えそう。格好を付けず素直に「薪ストーブ型石油ストーブ」を使う方が合理的である。

炭や薪などの価格は、国内既得権集団(花粉をまき散らす山林保有者とかのお金持ち)のメシのタネとなっているためか、異常に高い。薪ストーブにすれば部屋を暖めるために一晩に4束の薪を燃やすことが必要だが、ホームセンターで買うと薪は一束1000円が相場。一晩で4000円も掛かる。炭も同じようなもんだ。中近東などの石油輸出国の方がよほど「ぼったくり度」が少ない正直者なのである。おまけにLPGや石油の方がよほど地球環境にやさしい。

小沢一郎は代表を辞任するのがいい

天木大使がとてもいい「緊急提言」をされている:
[2009.03.03] 緊急メッセージ 民主党に告ぐ。 肉を切らせて骨を穿て | Blog(ブログ) | [公式] 天木直人のブログ: "民主党は直ちに新しい代表を決定して反転攻勢に出るべきだ。小沢民主党代表は自ら直ちに代表を降りて、身に降りかかった疑惑が不当であるのなら全力をかけてそれを晴らす努力をするべきだ。"
おいらもこれが正解だと思う。

理由は:
 今回の突然の東京地検の動きは明らかに政治的な思惑によるものだ。総選挙に敗北必至である自民党は検察を動かし国策捜査を行なった、そう受けとめられても仕方がない。

 しかしそれを民主党がそれをみずから陰謀だと騒ぎたて、小沢党首をかばってはいけない。そうすれば自滅だ。敵の思う壺だ。

 民主党はこの事件を逆手にとって、党首を一新して自公政権の政策の行き詰まりを引き続き責めるべきだ。麻生自公政権ではもはや国民生活を救う事は出来ない。麻生自公政権がどのような策を講じても、もはや国民の信頼を回復することは出来ない。その事を民主党は、新たな態勢を整えて国民に訴えていくべきだ。一丸となって総選挙に臨むべきだ。

 まともな国民なら、今度の疑惑が起きたとしても、だから自公政権がよい、などという事には決してならない。それどころか自公政権の卑劣さに反発を覚えるだろう。


付け加えることはなにもない。これが正解。

それにしてもニッポンの法律はいくらでも恣意的に運用できるものだ。法律が多すぎるのである(例えば決闘罪とか)。中央高速にしても制限時速は80キロだが、「誰一人」守っていない。監視カメラが記録しているから、お上がその気になれば中央高速を走ったことのある国民はいつ逮捕されても文句が言えないのだ。おいらはえらくないのでお上が逮捕しようとしないだけ。法律は現実的なものでなければいけないと思う。

3/4 Today 「古代エジプト学の父」シャンポリオンが死んだ(1832)

ジャン=フランソワ・シャンポリオン - Wikipedia: "ジャン=フランソワ・シャンポリオン(Jean-François Champollion、1790年12月23日 - 1832年3月4日)は、フランスの古代エジプト学の研究者。ロゼッタ・ストーンを解読し、ヒエログリフ(古代エジプト象形文字)を解明したことで知られ、「古代エジプト学の父」と言われている。"



シャンポリオンの20年がかりのヒエログリフ解読はとてもロマンティック。この辺のエジプト学を巡る冒険については、この本がおすすめ:




うちのカミさんのお父さんが書いた本だが、絵や図解が多くてとても面白い。

2009年3月3日火曜日

「偽装農家」の実態を暴き、参加型民主主義で農業を再興せよ(神門善久):日経ビジネスオンライン

第一回に引き続きいいことを言っている:
「偽装農家」の実態を暴き、参加型民主主義で農業を再興せよ:日経ビジネスオンライン: "少なからぬ都市住民が相続などで中山間地域の農地を所有していますよ。過疎地対策と農業問題は峻別するべきです。提案も大事だけど、まず農地の権利関係や利用実態について基礎的なデータを整備しなければなりません。

例えば不在地主については、一応「農林業センサス」(注2)などのデータはありますが、捕捉率が低いです。不在地主の中にも、本当に通って農業をやっている人と、相続で農地を持っているだけの人もいて、内実がはっきりしません。"
その通り。まずこの実態をはっきりさせないといけないという具体的ないい提言。ニッポンの農業を守れとかいってお金をばらまいても結局は「不在地主」や都会の「土地付き金持ち息子・娘」が儲かるだけというのでは(これまでがそうだった)どうしようもない。

結構居るんだよね、都会に住む「不在地主」と「縁故米」なんかの食い物をただで貰っている「都市住民」が。みんな総じて金持ち。彼らは合理的思考をする振りをしながら本音では農村地主の味方。コウモリ・スパイみたいな存在だから、都市住民もなかなか一本化できない。「農村文化を守ろう」とかの「ヒャクショウ・マンセー」クリシェを繰り返す「グリーン・エコロ」という「インテリ」はたいていがこの口だね。

まず各人に「識別標識」を付けること。その上で正々堂々と民主的に議論しましょうや。

山中湖にレンジャクがやって来たらしい!

現地からの報告です(写真はヤフーのキレンジャク):
レンジャクS - 山中湖観光情報ブログ goo版: "レンジャクが飛来しています。昨日はカメラマンの数の方が多かったんですが、きょうは50羽ぐらいの大群で移動していました。今年は久しぶりにキレンジャクも来ていて、ブログを始めてから初めてキレンジャクを見ました。"


Yachoo! オンライン野鳥図鑑 - 野鳥図鑑 - レンジャク科: "レンジャク属は、軟らかい細かい羽毛をし、大きくずんぐりとした体型で、長い冠羽を持つ。属名のBombycillaは「絹のような尾」を意味している。初列風切は10枚で、次列風切の先端に赤いロウ状物質がついる。英名Waxwingはそれを意味している。尾羽は短く先端に色が付いており、その色で種が分かる。くちばしは短く頑丈で、短足である。"

山中湖でやって来るとしたら、長池湖畔のヤドリギ群生地あたりか。

3/3 Today ひな祭り

雛祭り - Wikipedia"日本の雛祭りはいつ頃から始まったのか判然としていないが、その起源はいくつか存在している。日本での起源は、流し雛の風習から本来は祓い神事の人形であったと言われ、「雛祭を過ぎて飾っていると嫁に行き遅れる」という言葉もここからきている。"
へ〜、そうだったのか。

今朝の日経春秋子も書いている:
NIKKEI NET(日経ネット):社説・春秋-日本経済新聞の社説、1面コラムの春秋: "光源氏はむろん男だが、雛(ひな)祭りをする場面が源氏物語第十二帖「須磨」に出てくる。といっても、人形を飾ったり白酒を飲んだりではなく、祭りの元の姿だった「禊(みそ)ぎ祓(はら)え」の神事を、都を離れて隠れ住んだ須磨の海辺で行うのである。

▼「今日は、かく思(おぼ)すことのある人は、御禊(みそぎ)し給(たま)ふべき」つまり「何か心配なことがある人はお祓いをしなければならない日だ」と聞かされた光源氏が、身の災いを移した人形を舟に乗せて海に流す。すると突然、雷鳴とともに激しい風雨がまき起こり……と物語は第十三帖「明石」に続く。"

おなごもすなる雛祭りといふものを、おいらもしてみるか。

2009年3月2日月曜日

鳩山邦夫総務相の人気とり政策はちょっと度が過ぎるのではないか?

今晩の日経で唖然とした:
NIKKEI NET(日経ネット):離職者の地方移住支援 総務省、農業・介護など就労促す: "総務省は2009年度から、都市で離職した若者などを受け入れる地方自治体を支援する。地方交付税の配分を手厚くし、自治体のあっせんで地方に移り住んだ人に年200万―300万円の生活費を支給できるようにする。移住者には地元で農業や介護などの仕事に従事するよう促し、人口減と景気悪化で深刻な打撃に見舞われる地方経済の活性化につなげる。初年度に全国で年間300人規模で移住者の支援に着手し、2、3年後に年1000人規模へ拡大したい考えだ。"
これは大衆迎合ポピュリズム政策以外の何ものでもない。日本経済を歪曲させるだけだ。

何故ダメなのか? 理由:
  1. イナカに移住する人に年間2〜300万円を払うとのことだが、日本経済の労働需給を歪曲化させるものに他ならない。なぜ都会での有効求人倍率はイナカより高いのか。都会では人手が不足しているのである。すなわち貴重な労働力は必要とされる地域で使われるべきものなのである。年間2〜300万円ものインセンティブを付けられては誰もが本来経済的に労働力が必要とされていない地域に移住することは必至であり、更に労働需給のアンバランスが広がることとなる。
  2. これは新たなイナカへのバラマキ政策である。2〜300万円を貰ってイナカに移住した人は貯金できるのか。否、貯金は出来ない。貰ったお金は全部支出に回る。これで儲かるのは地元のイナカ企業なのである。総務省からのお金(都市貧民の税金)が彼らに回るのである。
  3. 農業への労働力の供給が目的だという。日本の農業就業者が多すぎることがニッポンの農業問題の根幹。少なくとも農業就業者数は三分の一にしない限り国際競争力云々の議論すら出来ない。それを何を血迷って「増やす」というのだ。
  4. イナカの介護に人を回すという。都会は介護就業者がいなくて困っている。イナカは失業者が多くて困っている。イナカの介護に都会の労働者を回せば、都会の高齢者もイナカの失業者も、どちらも困る。何を考えているのか。
  5. そもそも、日本のイナカには人が住みすぎ(↓)。この記事を熟読されたい。人が多すぎるイナカからどうやって人を都会に移住させるかが、現代ニッポンの国家的課題だ。総務省の政策はそれに逆行している。
    「日本はイナカに人が住みすぎ」(冨山和彦): "日経ヴェリタスで今度の「新前川レポート」作成メンバーに選ばれた冨山和彦氏がいろいろいいことを述べている。メモ。"


鳩山邦夫大臣は、はっきり言ってポピュリスト。丸の内の東京中央郵便局ビルについてこんなことを言っている:
asahi.com(朝日新聞社):鳩山総務相「壊したのは国の恥」 東京中央郵便局視察 - 政治: "建築物として文化的価値の高いJR東京駅前の東京中央郵便局を鳩山総務相が2日午前、視察した。建て替え工事の準備作業が進んでいるが、鳩山総務相は「利益追求主義で重要文化財級の価値ある建物の一部を壊したのは、国の恥だ」と発言。改めて、日本郵政に再開発の中止を求めていく考えを示した。"

まさにアホである。あのビルの何が「文化的」価値を持っているのだ。石造りや木造ならまだ話は分かるが、殺風景な安普請のコンクリートの建物。東京駅前であの建物が一番「ミニクイ」存在だった。

鳩山邦男大臣はこれで大衆の人気が得られると思っているのだろうが、日本の大衆は鳩山邦夫が考えているほどアホじゃない。

3/2 Today 久世光彦が死ぬ(2006)

久世光彦 - Wikipedia: "久世 光彦(くぜ てるひこ、1935年4月19日 - 2006年3月2日)は、日本の演出家、小説家、実業家、テレビプロデューサー。(株式会社カノックスの創業者、社長)。TVドラマ、小説ともに受賞多数。演出家、プロデューサーとして「寺内貫太郎一家」、「時間ですよ」などテレビ史に残る数多くのテレビドラマを製作した。女性問題が週刊誌で騒がれ1979年に独立、1980年にカノックスを設立。1987年に出版された処女作『昭和幻燈館』を皮切りに、作家活動を本格的に開始。小説・評論・エッセイなど幅広く執筆活動を行った。50歳を過ぎてのスタートにもかかわらずその活躍は目覚しく、独自の耽美的な作風を確立して多くの文学賞を受賞。"
50歳を過ぎてから面白いのをどんどん書いた。蓄積と恒産の上に成り立つ旦那芸?

これ面白いよ:



2009年3月1日日曜日

テレビ東京:全国の大豪邸を紹介……参った、参った!

あんまり民放は見ないのだが、今晩のテレビ東京には驚倒:
インターネットTVガイド 仰天・これが噂の大御殿だ: "日本各地の大豪邸を紹介していく。亡き父親の水産加工会社を引き継いだ北海道の男性は、夢だった”大御殿”を建てた。特に力を入れて造った庭には、五千万円近くも費やしているという。長野県塩尻市からは、牧場を営んでいる男性の邸宅が登場。家を取り囲む石垣には、岐阜県で産出される”ひるかわ石”を使っている。香川県さぬき市にある一級建築士の男性の自宅は、地元四国の建築素材にこだわって建てられた。”オール電化”に再生された長野県の古民家は、三百五十年もの歴史を持つ。童話の世界から飛び出してきたような、栃木県の不思議な豪邸もリポートする。"
イナカの金持ちはすごい!全部おいら都市貧民が余分に払わされているコストで出来た「豪邸」。これは「アプシュルド(不条理)」以外の何ものでもない。

いろいろ言いたいことがあるが、一番の問題は、これら「大豪邸」の趣味が総じてとてつもなく悪いことである。都市貧民があいつらヒャクショウに供出するお金は、せめて有効に(文化の創出に)使って貰えればまだいいのだが、何ら良質の文化の創造には繋がっていないのだ。

かくしてニッポン文化はますます「ヒャクショウ化」していくのである。ニッポン文化の将来を考えれば農村漁村既得権益集団への「富の移転」は、これ以上の放置するわけには行かないと思う。

アサヒ:「農家の手造り餅」賞味期限偽装で5万パック回収

asahi.com(朝日新聞社):「農家の手造り餅」賞味期限偽装で5万パック回収 - 社会: "山形県三川町の食品製造会社「竹原田ファーム」が、餅製品の賞味期限を最大で約2カ月偽装していたことが分かった。少なくとも約8700パックが偽装された可能性があり、同社は2月27日から、同時期に出荷された約5万パックの自主回収を始めた。首都圏のスーパー「成城石井」や個人向けインターネット販売を通じて流通しているという。"
あれれ?「農家の手造り」だったら100%安全のはずじゃなかったの?

昔「善き野蛮人」哲学(文明人はすべて文明に毒されており悪、野蛮人は文明に汚染されてないので善良という考え方)が一世を風靡した。今でもエコロなんかにはその尻尾がかなり残っているけど、結局それは間違った考え方だったということがはっきりして、今ではそんなことを言う人はいない。でも平成のニッポンには、こんな化石みたいな考え方をする人がけっこう多い。特に主婦層。それで騙されてしまうのである。

農協は「女性部」を総動員して、この手の商売の拡大にやっきだが、猫も杓子も同じことをしてこの手の商品が供給過剰となる中で、消費者はどんどん現実に目覚めて醒めてゆく。誰かがこれが儲かるといえば右に倣えで一斉に同じことを始めるのはニッポン人の悪い癖。農協がやるべきことは現状きわめて低い農業生産性の改善に尽きる。

「パリは保守的で閉鎖的だから部外者は孤独にならざるをえない、孤独に墜ちきることから芸術が生まれる」(鹿島茂)

今朝のNHK新日曜美術館で鹿島茂センセーが掲題の名言を:
パリ・芸術の都の誕生|新日曜美術館: "パリが芸術の都になった歴史をたどるとともに、その魅力をゲストと語り尽くす。ゲスト:鹿島茂さん(仏文学者)"
それが出来なかった人(徹底的に孤独になりきれなかった人)はただ溺れてしまうとも。う〜ん。

最近荷風の戦後の作品を読んでいるけど、たいていがつまらない(例外はあるけど)。荷風は、戦前も戦後も、世間との交わりを拒絶して孤独・偏屈だった。でも戦後の荷風は急につまらなくなる。どうしてこんなに違ってしまったのだろうと考えていたけど、鹿島センセーの言葉ではたと膝を打った。

同じ偏屈でも、戦うべき対象があった戦前と、戦うべき相手がいなくなってしまった戦後では、力の入り方がまるで違ってしまったということではなかったか。

荷風にとって戦前と戦後はどっちが幸せだったかは別の話。市川に住んでからの戦後の荷風は、田園散歩を楽しみ、また浅草に出かけ、まことに幸せそうである。あまり幸せだといい作品は書けないのだ。

3/1 Today 小林秀雄が死ぬ(1983)

小林秀雄 (批評家) - Wikipedia: "小林 秀雄(こばやし ひでお、1902年(明治35年)4月11日[1] - 1983年(昭和58年)3月1日)は日本の文芸評論家。日本の近代批評の確立者であり、西田幾多郎と並んで戦前の日本の知性を代表する巨人である。いわゆるフランス象徴派の詩人、ドストエフスキー、志賀直哉らの文学、ベルクソンやアランの思想に大きな影響を受ける。国文学にも深い造詣と鑑識眼を持っていた。

ただし、太平洋戦争勃発前までは積極的に戦争プロパガンダに加担していたことに対し、「頭のいい人はたんと反省するがいい。僕は馬鹿だから反省しない」と開き直ったかのような態度をとったことから、戦後、左翼的立場にいち早く右翼的立場から転換した人々より広く非難を浴びた。

小林によれば、戦争とは自然災害のようなもので、人間によってコントロールできないものである。そのため、台風をやりすごすのと同じように戦争は正しいか正しくないかにかかわらず、勝たねばならないというのであった。"


そう、生きるか死ぬかの状況においては「善悪」は関係ない。この点において、小林秀雄とジャック・ロンドン大薮春彦は、見事に一致するのである。

小林秀雄の文章は正直難解である。おいらもあまり理解できない。でも言葉でしゃべる小林の講演は非常に理解しやすい。彼は講演の名手。新潮社の小林英雄講演集カセットは全部持っているが、何れも非常におすすめ。今はCDになっているようだ:








など。